今の「当たり前」を見つめ直し、家族に 《感謝のことば》 を伝えて、 《ことばのギフト》 を贈る (大変な状況のなかでの暮らしのヒント)
今、在宅勤務や休校の影響で、家族と一緒に家のなかで過ごす時間が増えていると思います。
限られたスペースのなかで融通し合い、それぞれができることをやって助け合っている状態です。
あるいは、今、一人暮らしでも、離れたところに住んでいる家族がいろいろと心配をして気にかけてくれているのではないでしょうか。
そういう意味で、家族にいろいろな面で支えてもらっています。
そのような今の状況・環境を、私たちは当たり前に感じてしまい、それを成り立たせてくれている人の努力や気遣いに気づきにくいものです。
ごく当たり前になってしまったことを意識するのは難しいものです。
しかも、自分が直接見ていないところでの他の人の努力や気遣いには気づきにくいですし、自分がやっていることに集中するほど、それ以外のことが見えなくなりがちです。
そして、たとえ感謝の気持ちを持っていたとしても、そう心のなかで思っているだけでは相手には伝わりません。
とくに親しい相手には、わかっているだろう、言わなくてもよいだろうと思ってしまいがちでもあります。
でも、毎日を一生懸命に過ごしていると、家族やまわりも少しずつ疲れてくるものです。
そうなると、ふと、気持ちのやり場がないと感じることだってあります。
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そこで、家族による精神的な支えや、してくれていることを改めて意識して、心に感じる感謝の気持ちを、ことばにして伝えるようにします。
今の環境・暮らしが誰のどういう行動や努力のおかげで成り立っているかを考え、そのありがたさ(有り難さ=有ることの難しさ)を再確認するのです。
そして、「ありがとう」という感謝の気持ちを、ことばで伝えます。
感謝を感じたときに、その度ごとの素直な気持ちをことばにするのです。
何度伝えても構いません。
それだけ支えてもらっているということですから。
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そうすると、支えてくれていることに対して気持ちのお返しができ、自分も相手もあたたかい気持ちになります。
また、感謝を伝えようとしてまわりに目を向けることで、誰がどのような思いでどれだけ苦労や努力をしているのかが、今まで以上に見えてくるでしょう。
お互いの感謝が感じられるようになると、これからも互いに支え合うますます素敵な家族になっていきます。
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今回紹介した《感謝のことば》は、「コラボレーション・パターン:創造的コラボレーションのパターン・ランゲージ」、《ことばのギフト》は、『旅のことば:認知症とともによりよく生きるためのヒント』からのものです。
チームで動いているということと、家族に支えられて暮らしているということで、それぞれ文脈に違いはありますが、どちらも、そこで起きていることや環境が当たり前なのではないと再認識し、きちんと感謝の気持ちをことばにして伝えようということを
今の暮らしを成り立たせているすべてが、当たり前ではなく、奇跡的に成り立っているという視点で眺めてみましょう。
そうすると、今はうまく成り立っていることも、必ずしも強固に確かなものではなく、いつ無くなっても、いつ崩れ落ちてもおかしくないものだと気づきます。
それにもかかわらず、誰かが動くことでそれが成り立つことが保たれているのです。
単に静的に均衡して成り立っているのではなく、誰かが動き、支え、成り立たせることによって、動的に維持できていることばかりです。
これは、専門的には「動的平衡」という概念で表される事態で、life(生命、生活、人生)の本質です。
その、水面下の動きがあるからこそ成り立っているのです。
そのことに気づくと、その成り立ちを支えてくれているということ、支えてくれている人に、自然と感謝の気持ちが生まれてきます。
あとは、それを言葉にするだけです。
このことは、家族だけでなく、いまの自分たちの暮らしを支えてくれているすべての人に対しても、同じことですね。