走って繋いで、届けよその一投という話

それはある種のビハインドパス*1。
リスクは元より承知の上、感覚を頼りに軌道をなぞる。
繰り出すのは一瞬、身を翻すのも一瞬、決まるのも一瞬。

……まず最初に断っておくと、今回は別にバスケの話ではない。例によって今回の話題に私なりの比喩を通した様なものである。
ちなみに私にとってバスケといえば、(中の人の)高身長を勝手に期待されて勝手に、いや、ダメだ、マジで取り留めのないネタだからこの話は無しだ。はい、忘れてくれ。

さてさて!
プライベートにおいてもっぱら個人戦にこだわりだした一方で、仕事では個人的に同盟を結ぶ場面が出てきた。それも主に営業職同士で、特に対象が同じ製造業である場合が圧倒的に多い。
「〇〇省の△△工業団地に□□会社があるよ」とか、
「○○会社に△△さんって人がいて□□だよ」とか、
「○○さんが△△の話してて□□みたいだよ」とか。

基本的に、各地域毎の工業団地とそこに入居する日系企業に(ある程度の)当たりをつけつつ飛び込み営業をすることが多い私だが、例えば初回から100%仕事の話をするなんてのはごく稀で。会社の紹介も早々に世間話に入ることがほとんどだ。

はい、あるケース。

「建物関係では特に困ってないんだけど、それより今は人材不足なんだ。
 誰かいい人知らない?」
―2020年12月某日、日系製造業の工場長、自社応接室にて

「うちはHR業やない、ゼネコンやぁ!」

そう叫びたくなるのを抑えつつ、「あぁ、そっちなんですね~。ちなみにどういう所で忙しいんですか?」とまずは世間話の体で何気なく聞いてみる。
そうしてある程度まで探ることができれば後はこっちのものだ。要点だけまとめて、移動中の車内とかでHR業のお友達にLINEでパス!これである!

それ以外でも「製造現場がまだ空いてるから機械を入れるのが先だ」とか、「生産移管の関係で国内での調達先を探さなきゃいけなくて」とか、「コンテナ不足で出荷できなくて置き場所に困るだろうからラック欲しいわ」とか、「一時帰国できないし期末までに健康診断受けなきゃ」とか……。
とにかく、もう、本当に皆さん様々な話題を提供してくださって(それはそれで、ありがたいことなんだ)

そういえば、「情けは人の為ならず」という言葉があった。
自分のことで精一杯になるのはその気になれば簡単だし、特に自分の仕事のことで精一杯なつもりになるのはとても簡単なんだ。

でも、そうじゃなくて。
まずはほんのちょっとでいいから、ものの見方を変えてみて。
例えば、身近な誰かが普段どんなことしてるのか。興味を持って聞いて回ると……実は意外と色々いるものだ。
そういう意味では、同年会なんてその最たる例の一つだよ。しかも限りなく対等に何でも相談できるし、恥をかく心配だってしなくていい。こんな都合のいい無料相談所、基本ビジネスライクに生きてる人とかでももっと活用していいと思うんだ。

そしてその上で、もしいつかどこかで誰かの出番がきたかなと思ったら、その時はしれっとパスを回してみるんだ。ただ、その後のフォローも忘れてはいけないけども。

その先は成り行き。
それが必ず網を潜るとは限らない。網まで届くとも限らない。
でも、君がそこでやってくれなきゃ、何も始まらないんだぜ。

*1 ボールを自分の背中側から通し、持っている手と反対側に向けてパスするテクニック。

#雑記 #独り言 #海外生活 #ハノイ #仕事 #同盟関係 #いま私にできること

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