久しぶりの好きな人。
春が来た。
私には忘れられない人がいる。
彼との出会いは去年の夏。
あれから、時間が経った。
彼からの久しぶりの電話が来た。
もしもし、
昨日話したかのような電話。
何も変わらない声に少し動揺する。
彼は、従兄弟の幼馴染である。
だから、久しぶりに私の従兄弟の実家で
みんなで会うことになった。
彼は、ポケモンみたいな変な帽子被り
ジャージにスリッパ
ビニール袋を片手に、
タバコをポッケに入れて、
ラフな格好、
おしゃれとは程遠く
いわゆる紐男なのかもしれない、
彼の髪は襟足があるくらいに伸びていた。
そして、彼の身長も少しだけ高くなっていた。
私が出会った夏は、受験生だった。
それから月日が経ち、
彼は大学に受かっていた。そして、春休みでもある。
私には、彼とは別に彼氏がいた。
付き合ってもすぐ半年になる。
でも、どうしても、夏の彼より好きになることはできなかった。
いつも心のどこか、消えることのない彼がいた。
だから、会ってしまった瞬間。
いろんな記憶を思い出した。
好きだった気持ち、
片思いで、私の恋は実らなかったこと。
そんなことを思い出しながらも
必死でその気持ちを誤魔化した。
散々悩んで、
いっぱい泣いた。
そんな過去も
今少しずつ、
消えかけているのに
また思い出してしまいたくないから。
あぁ、なぜだろう。
また考えてしまっている。