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Steve Aoki「Waste It On Me [feat. BTS]」:カラフルな歌声が描くグラデーション、歌声を引き立たせるエレクトロニック・サウンド

Steve Aokiがアルバム『Neon Future III』をリリースし、さまざまなアーティストとのコラボレーションを実現させています。そのうちの一曲、Nicky RomeroとKiiaraとの「Be Somebody」に惹かれましたが、もうひとつ気になるコラボレーションに出会いました。それがBTS(방탄소년단/防弾少年団)をボーカルに迎えた「Waste It On Me」です。韓国出身のグループBTSは、いうまでもなく今やワールドワイドで活躍しています。

Steve AokiのツイートでBTSと写る画像を見て、コラボレーションしたことを知って調べると、これまでにもBTSのアルバムに参加したり、リミキサーとして協力したりしたことを知ります。そしてSteve Aokiの「Waste It On Me」にフィーチャリング・ボーカルとしてBTSが参加していたので、早速聴いてみました。こういうときにストリーミング・サービスは便利ですね。

「Waste It On Me」を聴いたとき、BTSの歌声が放つ「多彩さ」に驚きました。文字通りカラフルな歌声。サウンドがキャンバスに輪郭を描き、歌声は色を乗せていくイメージが浮かびます。七人もいれば必然的にボーカルに変化が生まれ、単色ではない色が見られるのは当然かもしれません。けれども僕はそこに「鮮やかなグラデーション」を感じました。色と色はときに混ざりながら、移り変わって、やがて一枚の絵が完成します。

Steve Aokiの生み出すサウンドがBTSの歌声を引き立たせます。BTSもさまざまなタイプの曲を歌っていますが、こうしたR&B系の曲とは特に相性が良さそうです。ラップも含めて全体的にきれいにまとめられた歌声を包むように、美しいエレクトロニック・サウンドが響きます。この音から浮かんだイメージは「穏やかに光る湖面」です。ときどき風が吹いて小さな波が立ち、光もまた揺れる。圧倒的な音の束を叩きつけるのではなく、ゆるやかに変化しながら聴き手に浸透していく音です。

とはいえ、座って目を閉じて聴くよりは、身体を揺らしながら全身で味わいたい。穏やかであるものの、ダンス・ミュージックであることは間違いありません。エレクトロニック・ミュージックの最前線を形成する音楽のひとつ――Steve Aokiの音とBTSの歌声が交差する「Waste It On Me」を存分に楽しみましょう。


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