台湾市場を開拓 | モメンタムファクトリー・Oriiの挑戦①
僕は2020年より「モメンタムファクトリー・Orii」の台湾展開を担当させていただいています。
具体的には現地での販路拡大やプロモーション、例えば展示会に参加したり、企画展の運営をしたり、ウェブサイトやSNSの運営を行ったり、B向け(特にデザイン会社)の顧客対応をしたり、などなどです。
実績は日本の1%にも満たないかもしれませんが、お陰様で引き合いも徐々に増えており、ようやく手応えを感じられるようになりました。一方で見えてきた課題もあり、今回は建築材料の展示会に参加した際の印象を元に整理します。
台湾では毎年12月に建築業界では最も規模が大きい「台北国際建築建材及び産品展」という展示会が開催されています。(出展企業数は約550社、来場者数は約3.3万人)
参加目的は市場調査と営業活動を兼ね、建築関係者、室内デザイナーとのコミュニケーション、関係づくりです。
今回の出展は1ブースでデザインイメージは以下の通りです(因みに、出展料は20万円弱/1コマと日本で開催される国際展示会と比較するとリーズナブルかもしれません)
①展示会の成果:
・ デザイナーとの名刺交換、約150枚程度
・ 展示会(後)の成約:オリイマーブル(DIYセットの建築材料)や表札、インテリア用品等の比較的、取引額の低い案件の注文を頂くことが出来ました。一方で大きな建築案件を(展示会後、含めて)頂くようなことはありませんでした。
②得られたコトは?
・現地施工の必要性:
元々、特殊な材料であることから施工を求める意見が非常に多くありました。また建築会社の方からは「もし施工ができれば直接協議できるかもしれない」と意見がありました。また材料の販売に留まる場合は、デザイン会社のデザイン提案に盛り込んでいただかないと、建築会社には届きません。
その為、現段階では考えてはいませんが、ある程度の業界内のブランド認知が得られた後には、現地の施工会社との提携を検討しなければいけません。
・建材からART作品へ:
台湾では商品代金に加えて、送料・梱包費用・関税等が加算され、坪単価約30万円~となります。
日本でも決して安価な商品ではありませんが、台湾デザイナーの反応から、非常に高い材料に部類されると容易に理解できました。
その為、関係強化を図るデザイナーも大手デザイン会社や高級案件に強いデザイン会社を最優先していきます。
また「大面積では使われにくい」「富裕層向けの提案に限定される」ことが想定されるため
「建築材料」として認知拡大を狙うより、今後はART作品として訴求する戦略に転換をしていきます。
・表札はブルーオーシャン?
台湾では住宅に表札を付けるような習慣も無ければ、台北はそもそもマンション/アパートが中心で戸建ては無いので、需要自体が無いと感じていましたが、そうではありませんでした。
日本のような一般家庭への需要とは異なりますが、以下の二種類のお問い合わせを頂いています。
1.飲食店の看板(これは日本でもあります)
2.「富裕層の住宅の中」や「オフィスの中」に設置(具体的には住居やオフィス内にある特別な空間の看板として)
③今後の課題:再現性の低い富裕層との接点
「台湾デザイナーへの認知を広げる」という意味では展示会は良いですが、
デザイナーの顧客層と商品単価にGAPがあるため、具体的な受注につなげるという点においては難しさを感じています。
一方で建材の例では富裕層の施主が、ブランドを気に入ってくれて「指名買い」して頂けることもあります。回数は少ないですが、このケースが一番取引金額も大きいです。
一方で「どのように意図的に富裕層と出会うことが出来るのか」という点は中々再現性がありません。このサイクルを作り上げることができれば、ART(建材)事業の基盤を作ることが可能になります。
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