消費者の行動変容へ有効はPRとは何か
サマリ
属性順位転換(消費者がモノを購入する理由)を促すことで、マーケットシェアを大きく覆すことができる。PRで世の中の空気を変え、属性順位返還を促すことがPRのゴールである
例1)洗剤の属性順位転換の推移
Before)アタック時代 :良い洗剤=漂白
After) アリエール時代:良い洗剤=漂白 & 除菌
あらゆる調査を実施し、選択に菌が反映しがちなFactを広報し除菌の必要性をアピールした
例2)ピジョンによるベビーカーの属性順位転換
・あらゆる調査を実施し「保護者は購入時に段差のスムーズな移動に注目して購入を行っていないが、購入後は段差のゆれを気にしている保護者が大半」であることを明らかにし、このFactを広報
・「ベビーカーの購入時に段差移動時のスムーズさを意識することが当たり前」という属性順位転換に成功した。
空気の変化に重要な6つの要素
(1) 社会課題の解決テーマ
(2) 偶然にPR情報と出会ったと思わせる演出
【背景】
「心理的リアクタンス理論」にあるように、人は自由を好む。つまり、いかにも狙っているような広告は逆効果になる可能性すらある
・人は自由を制限されると、その現実に激しく抵抗し、その自由を取り戻そうとする現象
・例)「勉強しなさい!」と言われると逆に勉強したくなる
【やるべきこと】
偶然ながれてきた雰囲気のあるコンテンツが勝手に拡散され、ユーザーの手元にたどり着くようにすること
・コンテンツ
・拡散されやすい動画(ノンフィクションっぽさが重要)
・実際のサービス自体
・チャネル
・SNSで拡散される
・日々生活しているとユーザーに出会う
(例:ポケモンGO / ランニングユーザー)
(3) 情報の信頼性・お墨付き要素
(4) 普遍的で本質的な課題発掘
【やるべきこと】
言語化はされていないが多くのヒトが心の中で考えている課題感を突いてPRに繋げる。世の中で課題感が表面化・言語化される少し前にPRするのが最適なタイミング。
・例1)P&Gの「life a girl」
・「女の子らしくボール投げて・走って」と17,18歳のteenagerに言うとナヨナヨとした動きをするが、7,8歳の子供にに言うと皆力強い動きをする動画を撮り、これを拡散
・「女の子は、社会に押し付けられた「女の子像」で自信を失うが、それに惑わされ自信を失わず、自分らしく生きていけばよい」というメッセージを発信
・例2)コカコーラの「Call her name」
・母親が「ママ」と呼ばれ「自分のFirst name」で呼ばれる機会がないことに着目
・動画の中では実際に普段「ママ」としか呼ばれないユーザーを集め、「First name」で呼ばれることで脳内のオキシトシンが増加するFactを収集し広報
(5) しみじみ/消費者が自分ゴト化して捉えられる演出
(6) 機知に富んだ内容の展開
【背景】
ユーモア知覚と説得効果 → 共有効果
【事例】
・例1)バーガーキングのLGBTマーケティング
・バーガーキングが新商品を広報。但し、中身は秘密にした
・実際に発売されたバーガーは、中身は一緒。包み紙は虹色で「中身は皆一緒」とだけ記載されていた
出典
広報の仕掛け人たち(2020年版) 顧客の課題・社会課題の解決に挑むPRパーソン