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この夜は 目を閉じて見た幻
今日も特に変わり映えの無い、
いつも通りの会社まで向かう電車の中。
いつも通りの時間に起きて、
いつも通りの順番で家を出る準備をして、
いつも通りのルートを歩いて
いつも通りの時間の電車に乗る。
途中の乗り換えの駅まで10分、
ぼーっとTikTokを見ながら過ごしていた。
韓国のアイドルが踊っている動画、
誰かの家の飼い犬の動画、
ディズニーシーの新エリアの動画。
オススメで流れてくるのは
だいたいこの辺り。
乗り換えの駅について
さあ降りようかと立ち上がったとき、
同じタイミングでたまたま画面を
スクロールしたわたしの指が
自身にオススメした動画は
サカナクションの公式アカウントのもの。
ライブで披露した1曲のサビ部分を
切り抜いての投稿だったのだが、
わたしはこの曲に
むせ返るほどの思い出の残り香を
感じることになる。
それが、「プラトー」という曲。
今回のnoteのタイトルにもなっている、
「この夜は 目を閉じて見た幻」という
フレーズから始まるサビ。
この夜は 目を閉じて見た幻
いつか 君と話せたら
僕が今感じてる
この雰囲気を
いつか 言葉に変えるから
これが、この曲のサビ。
薫ってきた、あの思い出の欠片
さて、わたしがこのサビで
どんな思い出の残り香を拾ったのか。
私は大好きなアーティスト
(THE RAMPAGEとMA55IVE)がいて、
ほぼ毎月彼らのライブに足を運び
彼らが創り出すエンタメに触れている。
幸せも、だれかを大切に想う気持ちも、
日常を忘れてただこの空間で
長い人生のたった2時間を
最高に楽しんで生きることも、
色んな気持ちや想いが溢れるあの空間が
わたしは本当に大好きで尊いと感じる。
わたしが拾ったのは、
まさにその空間での
思い出の残り香。
あの会場の独特の匂い、
隣の席の人のお化粧品の匂い、
公演中に演出で炎が上がったときの匂い、
今日のための新しい服の匂い、
帰り道で汗と香水が混ざった匂い、
楽しんだ後食べたおいしいご飯の匂い。
そしてその匂いには、
必ずだれかの幸せな顔がついている。
ぜんぶぜんぶ思い出した。
わたしにとっては、
ぜんぶ尊い思い出の匂い。
仕事でのストレスが溜まって
本当にしんどかった時、
週末にライブを観に行って
ああ、わたし今日はこのエンタメに
元気にしてもらうために来たんだと思った。
案の定、ちょっと泣いた。
多分まだ目を閉じてる
そんな夢のような空間も束の間、
ライブが終わって会場を出ると
いつもの日常に戻る。
やばい、身体は楽しかったという
感覚を覚えてはいるけど
なんっっも覚えてない、、
あの演出が!!あのメンバーがあのとき!!
観ている間はこれは絶対覚えておかないと!
と思うところがたくさんあったのに、
終わった瞬間ほぼ忘れた、、
楽しかった記憶しか、、
えこれ夢??幻??
基本的にライブが終わった後の
わたしはこんな感じ。
最寄りの沿線の電車に乗った瞬間、
さっきまでの出来事は一体、、?となる。
なんならライブ中から夢かここは、、?なんて。
多分、ライブに行くのが好きな人は
みんな感じたことがあると思う。
この「プラトー」という曲は、
まさにわたしにとって
その気持ちを感じたあの瞬間に
タイムスリップさせる曲。
もちろん、この曲はわたしが感じた
意味で制作されたわけでないのは
承知の上ではある。
だがわたしにとって
彼らのライブは
目を閉じて見た幻のようなものなのかもと
気づかされたのも事実。
だって夢のような空間なんだもの。
だからもし、
もしいつか彼らと話せたら
わたしがあのとき感じた
あの雰囲気を
いつか言葉に変えて伝えさせてほしい。
あなたたちのエンタメで
こんなに気持ちが満たされる人がいて、
まあるくなった自分の心に
気づくことができるようになる。
そんな想いをいつか彼らに
聞いてほしいなと思い
先日のライブの余韻に浸りながら、
今日もわたしはこの曲を聞くのです。
僕はまだ
多分まだ目を閉じてる
だから今 笑えるのか