インド映画『Orange』鑑賞/ひとり好きの愛について
最近話題のインド映画『RRR』にドハマりし、RRRでラーマ役を務めた俳優Ram Charanの映画を見漁る日々を送っている。
仕事を早く切り上げて映画館へ足を運び、N回目のRRR鑑賞を楽しみ、時間があればインド料理を食べ、余裕がなければNetflixやAmazon Primeインド映画を見る、インド漬け生活。
寂しがり屋の夫にはもうやめてくれと言われているが、好きなものを見つけたらとことんハマり、一人の世界に入り込む私にはちょっと無理な話である。
そんな中、Ram Charanの3つ目の主演作『Orange』が私にはとても刺さったので、久しぶりにnoteに記録しておきたくなった。
ヒンディー語版はYouTubeで公式から配信されているので是非見てみてください。
(ダンスシーンがカットされているので気になる方は「Orange dance」と検索)
--▼ここからは作品の内容に触れるので未視聴の方はご注意ください-------
好きなら「一生愛してる」と言ってほしいヒロインと、好きだからこそ嘘はつけない、生涯愛することを約束することなんてできないと言う主人公の衝突。
正直すぎるあまり、彼女の父親の前でも堂々と生涯の愛を断ったり、元カノに会わせたりとやりたい放題。お金にならないグラフィティをやめ、絵画の教師になることを勧める彼女の提案も断固拒否。自己中心的な態度が苦手なRam Charanファンも多いようですが、正直私は共感の嵐!!!!!
一生好きかどうかなんてわからない、愛が何なのかわからないのに愛してると言うなんて無責任だ、好きなものをやめるくらいなら一人でいるほうが良い、そんな考えが腹の底にあった私の思考回路はラムに近い気がする。
彼女とラムの恋愛、彼が恋のために嘘をつくのをやめたきっかけの恋愛が語られ、舞台は現在・ヒロインの似顔絵のグラフィティを塗りつぶしているところに戻る。
そして彼は、自分はパートナーよりも自分を愛していたのだということに気づき、グラフィティをやめて絵画教師になることを選び、彼女にプロポーズする決意をするのだった。
「自分はパートナーよりも自分のことを愛していたんだ」という気づき、あぁとてもわかる……
一人の時間が何よりも大切だった私が結婚を決めたとき、一人の時間よりもパートナーとの時間を優先したときに感じた、ふんわりとした気持ちはこういうことだったのか、とこの映画のラストシーンを見てとても納得した。
英語版Wikipediaのあらすじを自動翻訳すると「犠牲が不可欠」「彼は落書きを犠牲に」と出てしまうが、「犠牲」というものとは違う気がする。
自分や自分の好きなものを押し殺してしまうのではなく、自分や自分の好きなものと同じくらい、あるいはそれ以上に相手のことが大切になり、相手のためにできることをしたいと思うような感情に近いように思う。
愛とは何か、なんて大それたことを語るつもりはないが、ひとり好き・自分大好きな私に大きな気づきを与えてくれた映画だった。