IAC(インテリジェンス・アンド・クラフツマン)
「探偵」となり30年以上の年月が経った。昭和の終わりから平成の全てを「探偵」として生きた。人々の価値観が変わり、街の風景が変わり、世の中の空気が変わったが…我々は決して眠らない。 心に残る家出人捜索・調査を書き綴る…予定。 (実話をベースにしたフィクションであり、登場人物、団体名、地域等は全て架空のものです)
探偵、調査員の入門編 探偵の仕事や仕事上での留意点をわかり易くご紹介
東京の有名繁華街にあった某社でアルバイトとして働き始めたのは、昭和62年(1987年)の夏だった。そう、当時は夏休みのバイト感覚での軽い気持だった。 探偵には子供の頃から漠然と憧れを持っていた。私の子供の頃…テレビドラマでは警察官や探偵が活躍していた。 特に探偵は、少し廃退的で刹那的は生き方を好み、独特の正義感と価値観を持った非日常的な人物、職業として描かれ、私の漠然とした憧れと好奇心の対象となっていた。 最初の調査会社では、浮気調査の調査員として働いた。 バイト初日に
1990年代にある殺人事件があった。被害者は当時30代の既婚女性。加害者は女性の元職場の50代の上司だった。 調査開始時、我々は女性の家族の話や友人の話から50代の男性との不倫の果ての家出の可能性が高いと推測していた。 友人の話などから家出当日も二人が会っていた可能性が考えられ、彼女の家出に男性が関わっていると推測された。 我々は男性の行動確認を実施した。朝、その東京郊外にある男性の家を張り込み…大学生の息子が出かけ、彼の妻がゴミを捨てる…それは、どこにでもある
1990年代のある日…30代の女性公務員が子供を置いて家出した。女性の家族は同じく公務員の夫、障碍を持つ小学生女児と夫の母親だった。 個人的な見解だが、既婚女性の家出の場合は2つのパターンがあると考えている。そして、それらの2つのパターンにより家出の目的と家出先での生活に大きな違いが生まれ、その違いを念頭に置きながらの我々は調査設計を立てる。そのパターンは…一つは夫との関係が原因の家出であり、この場合は子供を連れての家出が多く、女性の実家が居場所を知っていることが多々あ
約20年前…ある自営業の50代の男性が妻と子供そして仕事を残し仕事用の車で家出した。 男性の妻から依頼を受けた我々は彼が残した名刺、伝票、領収書、年賀状やライターなどの遺留品を分析、当初は彼が頻繁に利用するガソリンスタンドの張り込みを行った。 24時間営業の2か所のガソリンスタンドを3交代、5日間の張り込み…長期の張り込みは周辺店舗や住民に警戒心を与え無用なトラブルを引き起こす懸念もある目立たぬように慎重に我々は息をひそめた。 張り込み中の会話は多岐にわたる。好
探偵の世界:飛び交う会話…特別な会話
探偵の世界:誰にでもある…日常の中の特別な瞬間
探偵の世界:消える選択、見ない選択…