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服部一成 個展2023
グラフィックデザイン界のアイドル服部一成。仲條正義が鬼籍に入ってからは彼の表現にますます期待するようになった。
そんな彼の個展が同時期に2つ開催されたのでもれなく足を運んだ。
1つ目は新作個展。
ofsギャラリー移転オープンのこけらおとしとして選ばれた。必殺だったストライプの線からギザギザの落書きような線に変わった今作。バウハウスから続く点線面の表現を現代でもトライするチャレンジ精神に畏敬の念を抱く。
2つ目は小品篇。
銀座一丁目にある昭和レトロなアパートの一画に、今まで手掛けたチケットやハガキ、封筒などを展示。限りなく狭い空間の中でイキイキと展開される小さなデザインたち。一輪の花やウイスキーのボトルも置いてあり、日常生活とデザインがかけ離れず地続きに存在していることに改めて気付かされた。
社会におけるデザイナーの価値がますます上がり、機能性を緻密に考えハイブリッドにこなすことが美徳とされる中で、目の前の小さな印刷物を見て心が躍る体験は今も昔も変わらない。
これからまた新しいメディアが現れて迷った時はデザインの原点に立ち返ることを忘れないでいよう。