劇団アンパサンド 歩かなくても棒にあたる
こまばアゴラ劇場がなくなって演劇に行く回数が激減。自分の中で演劇の存在価値がだんだんと薄れてきた中でこの劇団の公演は一筋の希望だった。
毎回繰り広げられる不条理な死のラストを今回も楽しみにしていたが良い意味で裏切られた。今回は一度死んだ人間が生き返り再び死んで周りは助かるという新境地。
ゴミ捨て場で回収車が来たのか来てないのか、ゴミを捨てるのか捨てないかの話がどんどん加速して可笑しな展開へ。作演出の安藤奎は日常とちゃんと向き合ってそこからぶっ壊していくのが好きなんだな。
前作は黒田大輔だったが今作は川上友里の怪演に圧倒される。ゴミ捨て場が動物園の檻に見える猛獣のような演技。川上がルールに固執し最後はそのルールによって自滅する痛快さはお見事だった。
アフタートークで佐久間宣行が言及していたようにナカゴー鎌田順也のバトンを受け継ぎ演劇界を精一杯駆け回ってほしい。
次回公演でまた会いましょう。