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キングオブコント2021
優勝した空気階段もさることがながら出場メンバー全組がハイレベルで充実した3時間を過ごすことができた。その中でも一番の成功要因は審査員のチェンジだろう。
現役コント師独自の視点とコメント力が作品の深みをもたらす。松本人志が序盤少し浮いていたのも、他の審査員の立ち振る舞いや経験値、説得力がそうさせた。M-1と同様に出場メンバーだけではなく審査員が視聴者に審査されている二重構造の緊張感も一つの醍醐味。バイキング小峠のコメントはコント愛と情熱が溢れていてウルっときた。
音楽や映画にも批評があるように笑いにも批評があることで作品が完結する。あの是枝裕和監督がフランス人は自我の強い批評でどれも辛辣だが自分では考えもしなかった新しい価値観を得ることができるとインタビューで語っていた。
作品は作った人のものだけではなく体験した私たちのものでもある。世界は自分の五感を通して存在する。
ザ・ワールド・イズ・マイン。