劇団アンパサンド サイは投げられた
以前から気になっていた劇団。上演時間ずっと笑いっぱなしというツイートを多く見かけ急遽観劇することを決めた。狂うぐらいの暑さの箱の中、貸してもらった団扇を仰ぎながら観る舞台はとても新鮮で貴重な体験だった。
枕投げの練習をするしないであーだこーだ言っている契約社員の2人。コピーを間違えて何百枚の紙が無駄になり落胆しながら鶴を折る契約社員。正社員がいない部署で部長の文句を言いながらもきっちり仕事をこなすお局の契約社員。突然ヘルプとして現れる情緒不安定な正社員。
どこかにいそうでいない絶妙なラインの人物達の繰り広げる意味不明な会話劇が時間を追うごとにどんどんクセになっていく。終盤の破茶滅茶な展開と小道具に畳み掛けられ、こんな暑い中自分は何を観させられているのだろうと思いながらもまんまと爆笑していた。
どこの会社も古くからいるパートさんや契約社員が実は会社を動かしている。そして気がついたらもの凄い才能を発揮している。この演劇はそういった縁の下の力持ちをちゃんと見逃さずにリスペクトした優しい眼差しの作品だ。
コツコツ努力すればサイは投げられる。