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ハッピー濱口竜介

フランスのカンヌ映画祭で濱口竜介の新作「ドライブ・マイ・カー」が脚本賞を受賞したというハッピーなニュースが届いた。

日本映画の未来を担う類い稀な作家を私自身も陰ながら応援していた。

5時間の長編「ハッピーアワー」。
公私混同のスキャンダルで世間を賑わせた「寝ても覚めても」。

傍目から見るとなんだか取っつきにくい作品たちだがどれも人間描写が秀逸で詩のような映像。

その人たちの家庭に忍び込んでずっと覗き見しているよう感覚に陥り、映画の肝の脚本が認められたのは納得である。この手の人間ドラマは賞という権威づけによって興行の目処が立つ。

是枝裕和の温かな眼差しと黒沢清の不穏さを兼ね備え、近い将来間違いなくパルムドールを獲る逸材。

梅雨が終わりパルムが食べたい季節が到来した。