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呉越同舟 ~全ては行動から~

 前回までの配信で起業のイメージをして帳簿の重要性を認識しました。

 今回は企業人の心がけに関するお話です。


売上はどうすれば上がるのか?

口が達者なだけの人になるな

 20年前も不景気だといわれていましたがITバブルなんて言葉もあり、この業界は右肩上がりの数字を出せる企業がたくさんありました。ですが今は当時と同じわけにはいかない状況があります。

 まず日本の人口減少は止まりません。つまり買ってくれる人が減っているわけです。では価格を上げればよいわけですが、そうなると競争に勝てません。もちろん付加価値があれば購入してくれる人もいるのですが、そもそも給与が上がっていません。確率的に考えてそれだけでは売り上げを上げることは出来なさそうです。

 我々はそんな中で工夫しながら価値あるもの提供し、会社を運営していく必要があります。そうすることで従業員の生活が安定し、社会が安定するわけですから。

 こうやって外的要因のせいにして「やらない理由」を言っている(無意味な)時間を「どうすればできるか」に変えます。これは考え方の癖の問題です。考え方の癖は普段の生活から気を付けてる必要があります。
 類は友を呼ぶ。不満や文句が多い人の周りにはそういう人が集まり、時間だけが無駄に過ぎ、何も生みだしません。
 最近脳みそに汗をかいていますか?気になってたあの資格取ってみませんか?

Little actions(1日1行動)

 結果は行動のあるところにしか生まれません。つまり行動しない人は何も変わらないのです。
 そこで私がおすすめしているのが「1日1行動」です。昔のコマーシャルで「1日1善!」なんてのがありましたが、1日のうちに新しい行動を必ず1つやろう、というものです。

 ところで「夢をかなえるゾウ」(著:水野敬也/刊行:2007年8月 飛鳥新社)に最初に出てくる夢をかなえるための行動はなんだかご存知ですか?
 それは、

靴を磨く

 です。夢をかなえるのにそんなこと?と思いませんか?ですがそんなこともできていない人が夢をかなえられるわけはないのです。

 最初は以前から気になっていたことをやっていくだけなのでなんとなくできると思います。ですが次第に自分の中での新しいことがなくなってきます。ですがそれでOKです。
 そもそも考えている枠が自分枠なので、そこから出ることが必要なのです。何もすごく新規性のあるものをやる必要はありません。

  • いつもと違う経路で出勤・通学してみる

  • いつもより20分早く家を出る

  • 珈琲から紅茶に変える

  • 毎日100円貯金を始めてみる(硬貨が扱いにくくなりましたね)

  • 車で行っていた買い物を自転車にしてみる

  • 洗い物をする

  • 玄関を掃除する

  • いつもより大きな声で挨拶してみる

  • パートナーや両親、子供にありがとうと言う

  • 同僚に笑顔を振りまいてみる

 こんなことでもいいと考えると色々出てきませんか?行動に変換できればどんなことでもいいんです。やれば必ず結果が出ます。まずは「自分は行動に移すことができる」という癖をつけましょう。

忘れてはいけない「こだわり」 でも、、

 こだわりがあるのは良いことです。ですがあり過ぎるのは良くありません。「過ぎたるは及ばざるがごとし」「及ばざるは過ぎたるより勝れり」なんて言葉もあるぐらいですから、度が過ぎるのは良くありません。
 ではどれぐらいが「過ぎる」なのでしょうか?

 私は「こだわりは自分にだけ。人には押し付けない」ということだと考えています。

 誰かに指示をするときに「何を」「いつまでに」だけでよいところに「どうやって」を付ける人がいます。この「どうやって」は相手に考えさせなければいけません。そこまで言ってしまうと指示待ち人間が出来上がってしまいます。
 そうやって指示待ち人間を製造しておいて「お前は使えない」というのは愚行です。そう育てたのは自分かもしれないと思えない人は人の上に立つのは考え直してください。
 指示する側としては結果が出ていれば道中は基本的には無視です。質問や相談があれば答えるということをベースにすることで成長を促します。

 売り上げを上げるということはとても大変なことです。ですがまずはこれぐらいの小さいことができなければ成しえないことだと感じます。もちろん小さいことができたからと言って売り上げが上がるわけではありません。

大切なのは「それもいいね♪」

生き残るために必要な物

 進化論で有名なダーウィンの言葉(本当は言っていないという話もあるみたいですが)に

「最も強い者が生き残るのではなく、最も賢い者が生き延びるのでもない。
唯一、生き残るのは変化できる者である。」

 というものがあります。余談ですが、以前勤めていた会社でこの話をしたところ「理想ばかりいわれてもなあ」と返されたので少し残念に思いました。変化することは意識しないとできないことなのかもしれません。
 とかくこの世の流れは日々速度を増しています。さながら横スクロールシューティングゲームで強制スクロールがどんどん速くなっている状態です。
 そんな中で生き残っていくために「柔軟性」というのはとても重要なキーワードだと思います。

 私はこういう人間だから。
 今までこうやって生きてきたから。
 不器用ですから・・・

 そんなことはどうでもいいです。そういう人ほど違うことをやってみることをお勧めします。やったら変われる?そんなこともどうでもいいです。変わろうが変わるまいが全く関係ありません。
 自分がこの世に生まれたことをガンガン利用してあれもこれもやってしまいましょう。どうせ100年も生きられないんです。そしてそのことがいつか誰かを助けるかもしれません。助けられなくてもどうでもいいです。大切なのは「あ、それもいいね♪」と思える柔軟性なのです。

損して得は取れるか?

 無理なディスカウントや将来展望のない仕事にはどうしても前向きになれません。どうしても目先の利益や売り上げを気にするのも経営者としては当然だと思います。だからと言って見えてもいない将来に希望ばかりを描くのもどうかと思います。
 一つの基準として、

  • 自分が誠意をもって相手に接することができるか

  • 相手が誠意をもって接してくれているか

 ということを意識すると良いと考えています。だたし「相手が誠意をもって接しているか」は自分の判断能力が低ければ意味がありません。なぜならそれが誠意かどうかを「自分にとって都合の良いこと」だと勘違いしている人がとても多いからです。
 例えば食事に行ったときを想像してみましょう。
 店員さんの態度が悪ければせっかくの気分が台無しですよね。逆に店員さんの態度が良ければ?それはとても気分が良いです。では店員さんの態度が普通だったら?
 何も思わないという人が多いのではないでしょうか。ですが普通ということってとてもすごいことなのかもしれませんよ?

 「当たり前じゃないからな!」あるバラエティー番組で聴いたことのあるセリフですが、当たり前の事って見逃しやすいんです。
 悪い・良い・普通という感覚は人によって異なります。先ほどの食事の例でもどういう価格帯の店に行くのかによっても変わります。安さが売りのお店に行った時と、何かのお祝いで高級店に行った時とで店員さんのサービスが違うのは当然です。もちろん安いのにサービスもいいとなれば気持ちいいですが働いている人の対価を考えると普通でも十分かもしれません。

 ビジネスにおいては相手が誠意をもって対応してくれているかの指標に速度があります。クレームに対して即座に行動があれば処理は上手くいく可能性が高いです。速度に勝るものはありません。メールの返信も同様です。

なぜ速度が大切か?

 それは相手の事を考えるからです。迷惑をかけた。心配をかけた。手間を取らせた。不安を感じさせた。不審に思わせた。このことに対して最も効果的かつ最大限できる誠意が「迅速な対応」です。

 そのため速度感のないお客様とのお仕事は少し冷静に見ることをお勧めします。逆に対応が迅速なお客様は大切にしてください。中には対応は速いけど中身が悪いという場合もあります。その場合は相手にその旨を丁寧に伝えたうえで改善の様子を見ます。

 これらが十分と判断できる場合にのみ損して得を取るという判断が正しくなる可能性が高いと感じます。これが私のこだわりと言えます。

感動の語源と義・誠・徳

感即動

 感動という言葉にはもともと真ん中に「即」という字が入っていました。「感即動」つまり感じて素早く行動すること。

 アニメや漫画に出てくるような天真爛漫キャラが向う見ずに猪突猛進というのとは違うので注意してください。これは「感」が幼稚な証拠であり、そこに魅力があるのは現実ではありえないからです。私がそういうキャラが嫌いということではありません。創作だからこそ成立するし「んなあほな」ということがあるからエンターテイメントなのです。

義・誠・徳

 「感即動」はチャンネルユニコ®でも何度も登場している「義・誠・徳」という考え方と似ています。
 感じるというのは「義」に当たります。自身の感性フィルターが幼稚だと感じ方も幼いまま。「義」を成長させることが自身の感覚を鋭くかつ柔軟にします。
 次に即・動が「誠」と紐づきます。行動には必ず誠意が伴い、それが分かりやすいのが速度であるというお話をしました。これが即です。闇雲に速いのが良いということではなく、義の上に成り立つ即・動が重要ということです。
 最後に感即動がもたらす状態つまり「感動」が「徳」に当たります。得を積むという言葉は感動を積むということ。そしてこの徳は自身の話しではなく、自分に関わる全ての人に対する感動である必要があります。

 当社ではこれができる状態を「自立」と位置づけ、仕事を通じてこれらを感じ行動することを指針として日々の業務に励んでいます。そしてこれこそが働く意義だと考えます。仕事とは自己実現のためだなんて小さな発想からは早く抜け出してしまいましょう。

人生という海を渡る船

バランス感覚のある人間になる

 自分のこだわりを「呉」だとしたら柔軟性は「越」です。そして自分自身は人生という海を渡る船です。自分自身に相反する考え方が同居しています。どちらが正しいかと考えるとバランスを崩して船はすぐに転覆してしまいます。穏やかな状態が続くことを望みますが、そうはいかないのが人生です。様々な荒波を超えていくために「こだわり」と「柔軟性」のバランスを保ち続ける意識が必要です。

 こういう心がけが売り上げを上げる第一歩。できたから売り上げが上がるわけではないですけどね♪

今回の内容は2022年4月22日朝10時からの stand.fm で配信しました。
皆様のご意見ご感想をレターやコメントでお待ちしています。

次回は、
その4 塞翁が馬 我が道を行く
をお送りします。

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