魁!!起業塾 その2 神は細部に宿る ~一所懸命~
会社運営の基本となるもの
第一回目は起業を具体的に想像するために会社名を考えたり、名刺のデザインを考えたりしました。そして「いったい何で稼ぐのか?」希少性と需要のあるスキルはどうやって身に付けるかというお話をしました。
帳簿を付ける
実際に起業をすると一番面倒に思うのが「帳簿作業」です。ですが会社運営の基本となるものもこの「帳簿」です。
今時の帳簿は電子データやクラウドで管理します。データ化されていることで部門別の売り上げを見たり、経費の詳細など効率よく分析するとができます。
さてその帳簿ですが、これって何費なの?というものがたくさんありますこの作業を仕訳(しわけ)と言います。
租税公課って何ぞ?
少し例を見てみましょう。
「接待交際費」なんかは有名ですよね?似たようなものに「会議費」があります。この違いを説明できますか?
他にも「法定福利費」や「租税公課(そぜいこうか)」があります。どういったときに使うんでしょう?調べてみてくださいね。あと「支払手数料」も慣れないうちは使い方が分かりにくい。
このようにややこしいことをする理由としては、経営分析に使うためなのともう一つ。「うちの会社はズルしていませんよ」と証明するためです。
帳簿は税務調査が入ったときに調べられます。ルールに則らずに帳簿を付けていると他の会社と違うところは目立ちます(不正なんじゃね?)し、税務調査は過去に遡ってぼって調べるため、説明を求められたときに「あれ?これ何の費用だっけ」となり気まずい雰囲気が流れます。
税務調査で「これは経費と認められません」となると経費が減り、利益が増えるため税金が増えます。間違っていた場合や勘違いしていた時には素直に認めればよいのですが、そういうことが起きないためにも専門家(税理士や会計士の方)に定期的なチェックしてもらうことも大切です。
青色申告って何?
起業する際に申請するものの中に「青色申請」というものがあります。皆さんも聞いたことはあると思います。青色申告でない場合は何色申告かご存じですか?これも調べてみてくださいね。
青色申告の詳細に関してはネットに情報がありますのでそちらを参考にしていただくとして、これっていったい何の話なのでしょう?
これは分かりやすく言えば「ちゃんと帳簿を付けるのであれば売り上げから一定額を経費として認めてもらえる制度」です。この売上から一定額を経費として認めてもらえることを「控除」と言います。つまり帳簿付ける代わりに控除が発生させられる節税の制度ということですね。
さらに赤字が出た場合に10年間繰り越すことができます。これはとてもありがたい。
事業を始めていきなり黒字化できることは少ないです。最初の1~2年は赤字が出ます。3年目でわずかに黒字化したと思ったら税金で持っていかれるとなるとモチベーション上がりませんよね?青色申告をしておけば1,2年目の赤字と3年目の黒字を相殺して利益を計算することができます。
帳簿を付けるという行為は官の財源である税金を軽減してもいいとするぐらい重要だということが分かります。
税金ってどこに納めるの?
次は税金の話です。会社のお金、特に税金や年金のことを考えるときはどこが管轄しているかを考えると分かりやすいと思います。
大まかなイメージを掴もう
1.国(国税庁)(法人税 → 個人で言うところの所得税)年末調整や確定申告もここが関連
2.都道府県(都道府県民住民税 → 個人で言うところの住民税)
3.市町村(市町村住民税 → 個人で言うところの住民税)
4.社会保険(国:厚生労働省)(健康保険・厚生年金 → 会社と個人で半分ずつ負担)
そしてそれぞれに役所があり、納めるものが違います。法人格という言葉がありますが、住民税がかかっているあたり人として扱われているのが面白いですよね。
ユニコの場合
ユニコ奈良に本店がありますので奈良の例を記載します。
1.国:税務署(葛城税務署:法人税、消費税)
2.都道府県:県税事務所(奈良県中南和県税事務所:県民住民税)
3.市町村:市役所(香芝市役所税務課:市民住民税)
4.社会保険:社会保険事務所(大和高田年金事務所:厚生年金、健康保険)
1~3は決算後2か月以内に(消費税は少し変則)お世話になります。4は毎月口座から引き落とされます。
年金事務所なのに健康保険も扱ってくれる?それって健康保険事務所(そんなのあるのか?)では?
でも国民健康保険は市役所(うちはその近くにある「香芝市総合福祉センター」にいく)に行くんですけど。なんだかややこしい!
どこにあるか調べてみよう。
とまあ一部名と体が合ってないような印象を受けるところもありますが業務が効率化されるのは良いことです。過渡期と考え様子を見ましょう。
ところでそれぞれの役所がどこにあるのかご存じですか?
早速調べてみましょう。自分が本店を置く会社の住所が基準です。
税務署
絶対に敵に回したくない税務署(子供の頃にマルサの女を観たからかも?)です。ユニコは葛城税務署にお世話になっています。
県税事務所
ユニコは結構ここが遠いのです。ただ建物が学校の居抜きなのと近くの食堂が美味しいので行くときはちょっと楽しみです。
市役所
これは馴染みがありますよね。個人的にもよくいきますし。ただ会社の本店を設置する場所が基準ですので、どこかに事務所を構える場所によりますので調べておきましょう。
社会保険事務所
役所が集まっている地域周辺にあるのではないかと思うのですが、皆さんの場合はいかがでしょうか。最初は近くに合ったけど移転したなんてこともありますから是非調べてみてくださいね。行く割合としては結構あります。
ついでにお世話になるところをもう少し見てみましょう。
法務局
ユニコの場合は以下が該当します。
本局:奈良地方法務局
支局:奈良地方法務局 葛城支局
基本的に登記は本局でしかできないと思っておいた方がいいです。支局は登記した書類の証明書(印鑑証明や履歴事項全部証明書)を受け取りに行くことができます。
「地方」とついているのが面白いですよね。その地域を管理している法務局には「地方」はつきません。近畿地方では「大阪法務局」が該当します。
ハローワーク
昔で言う職安です。従業員を雇うとここが絡んできます。労働保険(雇用保険と労災保険)に関係します。
まとめ。
会社を運営するということはあれもこれも色々とやらなければいけないので大変なことが多いです。専門的な方に任せるという選択肢もありますが、規模が小さいうちに自分で一通りできるようになっておくのが良いと思います。
誰かにやってもらうと経費が掛かるのと帳簿の理解がないまま規模が大きくなったときに異常な動きに気が付かないなどリスクにつながります。まずは一つの所(一所)を細部にまで目が行き届くうちにしっかりと基本を押さえてしまいましょう(懸命)
ある程度の規模になれば誰かに任せるという流れで十分です。
帳簿を付けているとこの国の仕組みが色々と見えてくるので面白いですよ。
起業するからには何事においてもすべて出し切る意識と覚悟を持つこと。その誓いが自分の成長を後押ししてくれます。
本内容に関しては2022年4月15日の stand.fm でお話しますので是非聞いてください。まだアプリを入れてない人は是非チャンネルのフォローをお願いします。
次回は、
その3 呉越同舟 全ては行動から
をお送りいたします。
パーソナリティーの note もあります。こちらもお楽しみください。