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始月の馬鹿ではない企画

エイプリルフールって最初は盛り上がるけど、あらかた見終わると虚無になるよね。エイプリルフールはエイプリルフールだけど、言うてそんな特別な日じゃないし、どうせただの平日/休日だし。
だけど、そんな日の為に本気で何かを企画して、本気で取り組んだこの時間は無駄ではない、と私は思うんだ。

どうも、前置きが長くなりました。むし。です。
ついに来ましたね、エイプリルフールが。と言ってももう午後だけどね。エイプリルフール終わっちゃったね。午後は慣例でいうネタばらしタイムということで、今回は私が製作した二つのエイプリルフール作品について、さらっと書いていこうと思います。

語るといえども簡潔に、それではレッツゴー。

異・モリモリ妖居館〜Mo-ri Mo-ri O fantasy

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概要


はい、こちらは2023/03/31に公開した“自創作”の面でのエイプリルフール企画です。
私の自創作『異・シリーズ』ではこれまで様々なエイプリルフール企画をやっておりました。1年目はものおき、2年目は始月殿、3年目は始月殿から一年後のちょっとしたお話+曲。記念すべき4年目は…過去作の追加コンテンツ的な奴です。いえーい!

今年のエイプリルフールは『異・モリモリ妖居館』と題しまして、「もし妖居館の自機にモリモリオがいたら…?」という妄想を具現化したものとなっております。しかし、ここで一つの障壁が生じるのです。このままでは本当に嘘になってしまう。異・のエイプリルフールは嘘ではない。れっきとした正史だからだ。
この妄想をどうにか正史にするにあたりあの人物を引っ張り出す必要が生じてしまったのです。

檜扇 千哉

そう、彼の名は檜扇千哉(ひおうぎせんや)。檜扇さくらの父親です。そりゃあ心配するよね、父親として自分の子供が急に行方不明になったら。という訳で謎の生命体モリモリオと千哉、そしてさくらが結果的に結託しおつかいを成功させる…!というストーリーになりました。
勿論、おつかいには被害者の存在も必要です。今作は異・シリーズ第一弾となる異・妖居館の皆様に軒並み犠牲になってもらいました。犠牲になってもらうに当たって、妖居館地点の彼らの立ち絵を今の私の絵柄でリメイク致しました。あの立ち絵達一回リメイクしてみたいなぁって思っていたので、このような形で叶って何よりです。有寸兄なんてマジで出番なさすぎてめっちゃ昔の絵柄で時が止まってましたもんね。ビフォーアフターの画像でも作ろうかなと思いましたが、普通にめんどいので、もしお暇がありましたらご自分でご確認下さい(不親切)。

異・モリモリ妖居館はこちらから読めます。(あーこれリンク機能してないね、コピーして検索窓に貼って下さい。不親切でごめんね。)

https://privatter.net/p/9907734

さて、今年のエイプリルフール企画はもう一つあります。もう一つは、“むし。”としてのエイプリルフール企画です。

常夜の里

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概要

エイプリルフールなのに随分暗めな画像ですね。そりゃそうだ、最初のコンセプトがこんな雰囲気だったんだもの。
こちらは私個人としてのエイプリルフール企画、『常夜の里』でございます。朝日昇らぬ夜の村里に、二人の旅人がやって来る事で物語が始まる、弾幕stg風単発作品です。

ここから先の語りはネタバレを大いに含むので、先に作品を少しでも読んでおくことを推奨します。
常夜の里はこちらから読めますので、ぜひ。


…準備はよろしいでしょうか。では、どうぞ。


着想

あとがきでも書いた事ですが、この作品を作ろうと思ったきっかけは平沢進さんの『Astro-ho!帰還』という曲を聴いたことです。あの曲みたいなディストピアなものを作ってみたいな、と思ったのが始まりです。ここから、常に夜の里で物語が繰り広げられるという根幹の設定が決まりました。あと、エイプリルフールにシリアスなものを出してみたいっていうのは前々からありました。Twitterのフォロワー様の作品に、『虚日』というものがありまして。それを電車の中で見て以来です。影響されまくってるやんかー!
…さて、主人公はどうしよう。

多彩(?)なキャラ達

まずは主人公を決めることから。でも主人公はすんなり決まったような気がします。創作に出す予定の無かった、二人の旅人(イオくんとクラヤさん)です。二人は旅先で意気投合し一緒に旅をしている、クラヤは大食い、イオは男色家…などの設定はこいつらを作った時からありました。なので、わざわざ新しい主人公を一から作るより作品に落とし込みやすいんじゃないかと考えました。バックの教団のあれこれとかもこの地点で決まっていたし。あとは村里に住む人々を設計するだけ。

まず、常に夜の里=神秘的だなと思っていまして、何か神秘的な存在を作りたいと考えました。でも神様はちょっとベタすぎる。そこで、中国とかの五行思想を借り、五色の精霊達を作り出しました。五行ってあの火水木金土です。よくいろんな作品に使われてるような気がします。これもやってみたかったんですよね。五行を使ったキャラデザ。せっかく自然の属性を取り入れるのだからとちょっと人外みのあるデザインに挑戦しました。

・ミナモ
 一人目はミナモ。人魚のような見た目をした水の精霊さん。人魚は人魚だけど、モチーフにした魚は鯉です。ミナモの生息地は滝壺なので、鯉の滝登りみたいで相性が良さそうだったからね。普段はお淑やかだけど感情の起伏が激しい性格で、怒ると水流が激しくなると言われています。モチーフ五色は水、メインカラーは黄色。

・モネク
 二人目はモネク。エイプリルフール当日に私のTwitterを乗っ取った木の精霊さんです。木でできたお人形さんのような見た目をしています。多分一本作りなので、手や腕などありとあらゆる関節がありません。不便。元にしたのは白樺の木。比較的寒い所に生える木なので、隣に氷山が佇むこの立地には丁度良いと思いまして(あれ、火山もお隣じゃなかったっけ?)。
モチーフ五色は木、メインカラーは白。子供らしい性格をしていますが、結構な年数生きてます。

・ドーゲン
 三人目はドーゲン。トカゲのような見た目をした土の精霊さんです。立ち絵では尻尾で浮いてますが、骨格はトカゲとほぼ同じにしているつもりです。なので足は尻尾の付け根の横から生えてます。なぜ土でトカゲなのか…それは私も分かりません。メインカラーが緑よりの青だったので、それにピッタリのモチーフ選びをしたのかもしれません。モグラじゃ味気ないし。
五色の精霊の中で一番若く、行動力の溢れる頼り甲斐のあるキャラを目指しました。

・ピャゴ
 四人目はピャゴ。火の鳥モチーフなのにメインカラーは黒な火の精霊さんです。でも黒といったら木炭なイメージがあるのであながち間違っちゃあいないのかも。羽ばたけば熱風、吐く息も相当な温度のあつあつバードですが、性格は真逆の慎重派。五色の精霊の中で一番の常識人でありしっかり者な一面も持っています。
やっぱり火といったら鳳凰とかのなんか荘厳な鳥さんだよね!というイメージが私の中では強く、そのまま作っちゃいました。もう少し捻っても良かったけど、生息地が活火山なのでね…ちょうど良かったんですよ

・タイナ
 五人目はタイナ。金を司るっていうとマジで金だけかと思われるかもですが、金属や鉱石も同時に司っています。モチーフは金剛石(ダイヤモンド)と香水の瓶です。なんかすっごくオシャレな香水の瓶、あるじゃないですか。あんな感じのデザインです。本当は周りに鋭い武器を浮かせたり、手をカッターの刃みたいにしようと思ったのですが、あの子の優しい性格がそれを許してくれませんでした。一番硬いけど一番柔らかい、そしていちばんつよい。そんな子を作りたかったのです。
メインカラーは赤。そういやここまで五行の元素と色が合ってないなーと思った方も多いと思われますが、私が勘違いしているという訳ではありません。意図的に、です。

・ピカラ
 ここからは精霊ではなく里の人間達について話しましょう。
 六人目はピカラ。元々は本当に光の神か精霊かにしようと思っていたけど結果的に少し捻くれた人物になりました。里の光として人々から支持を得る一方、自分はなんの不便もないので本当の事を言わず、つくづく人を、教団でさえも利用する。優しそうなツラして裏では…っていう人物、作るのダイスキ〜。歴代の指導者はそうだったのか否か、そこが気になるところです。
羽織の前を開けて少し人間味のないシルエットを作ったのがお気に入りポイント。なんか、レジスチルみたいだなぁと思ったのは私だけかしら。

・ハニミ
 七人目は里の長様、ハニミさんです。長様は本来キャラデザしないモブ的な存在だったのですが、お話の途中に簡易的な絵を描く事にしたら外見を作らなきゃいけなくなった、的なキャラです。姿を描くまでは年寄りのおじいさんというイメージだったのですが、描いてからはおばあさんになっちゃいました。そして私はどうも後ろにちょこんと結んだ巻野ヘアーが好きなようです。頭に結んだバンダナもお気に入りポイント。

・“シモベ”
 八人目は“シモベ”。名前ではなく教団の役職名で呼ばれています。本名は私にも分かりません。主人公の一人、クラヤの元々の役職も“シモベ”であったので、デザインはクラヤの衣服をベースに、邪神に心酔した異常者的なキャラに仕上げました。
そんなコイツの本来の職業は学者です。教団の崇める神であるクヤラミ神の研究をしており、教団にも研究目的で入った筈なのですが…何がコイツをこんなふうにしたんでしょうね。

・レパス
 九人目はレパス。こいつはクヤラミと同格の神です。人間のような姿をしていますが、本来は異形の姿をとります。今作は人間ではない存在は基本的に人外、異形の要素を取り入れています。が、神は変幻自在なので人間の姿になってもらいました。色々と便利なので。異形の姿はサントラでシルエットのみ拝むことができます。
さて…こいつのキャラデザは子孫であるピカラを元に、シンプルな荘厳さと荒神っぽい要素を少し足して、あとは癖を詰め込みました。何気にお気に入り。

楽曲

今作では楽曲も5曲程制作致しました。作業用BGMが平沢進さんだったので、某方だけでなく平沢進さんにも影響を受けた曲達となっております。私にしては少し変わった音楽をご堪能あれ。
そして今作の楽曲は全て、タイトルテーマとか何面のテーマとかではなく、特定の場所、試練のイメージテーマとなっております。なのでこれがゲーム画面で本当に流れているのか?と言えばそうでもありません。流石に五色の試練は各バージョンが用意されていることでしょう。詳しいコメントはBOOTHの方で公開しているのでぜひ。Youtubeの概要欄からいけます。

弾幕“風”の追求

さて、先程まではキャラや音楽について色々語ってきましたが、ここからは作者のこだわりトークタイムです。
元々、常夜の里は文章と絵と音楽だけで完成にするつもりでした。しかし、制作期間中のTwitterで『弾幕stg風創作とはなんなのか』という議題が出ておりまして。今まで作ってきた創作スタイルを否定されたような悔しい気持ちと共に、じゃあ作ってやろうじゃないの、と何かがふつふつと湧いて来るような感覚に襲われました。これから作る全ての作品では無理でも、この一作品だけなら、まだ時間と余力はある。ここから、ゲーム画面風の絵を描くに至りました。
弾幕stg“風”なので、本当にゲームのようにしてしまえば、“風”ではなくなります。限りなく両質な“風”を作るなら、やはりゲーム画面風の絵なのではないかと。しかし、弾幕stgとは某方ライクのものだけを指す訳では無いとの指摘。なので、ゲーム画面は横スクロールのものを採用しました。というか元々横スクロールシューティングを想定していたけどね。通常弾、必殺技の区別は無くし、その弾幕の中には道中のようなものがあったり、敵と自機の位置関係は固定かと思いきや反対側にも余裕で来るしラストは縦になる。縦横無尽なんでもありのものを目指しました。
これで、常夜の里には物語、絵、音楽、ゲーム画面(風の絵)が揃いました。

これが、この作品が、私の考える弾幕stg風創作の形です。完全とは言えませんが、私としては納得のいく結論が出たと思っています。これから先作る作品で、全てにこれをする事は難しいでしょう。人間誰しも創作の時間が無限にある訳じゃありません。完全な形は作れないけど、私はこれからも自創作に関してはあの名称を通し続けます。弾幕制作から、弾幕描写から逃げた創作者の成れの果てとして、笑ってやってください、後世の人。

さいごに

以上、エイプリルフール企画語りでした〜
これ以上書くこともないのでここで終わります。
さて、最後の最後まで四月一日を楽しむとしましょうか。
それではまた〜

2023.04.01.むし。


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