もしかしたら進化。
バラに棘があるのは、
その身を守るため。
その棘で、自ら誰かを傷つけない。
ぼくらも棘を持っている。
ぼくらは、その棘を使って、いろんなものを傷つけている。
厄介なのは、知らず棘が刺さってしまったり、
相手の痛みをわからず、むやみやたらに棘を刺したり、
いまもうっかり、だれかにチクッ。
だれかも僕にチクッ。うっかりなのかわざとなのか。
ただ気持ちに任せてぶつかっていた頃、
多分やたら尖っていて、対して力もないから、
相手のかすり傷にもならないけれど、
でも棘を突き立てた。
ありがたいことに、
ぼくの棘がまるくなったり
やわらかくなったりするくらい
相手になってくれた人たちがいたから。
多分、ボールのようなやわらかさと丸さを知ることができた。
棘はあるけれど、それはもういらないのかもしれない。
だから、ちょっとずつなくなっている。
それは進化かもしれない。
ぼくという生き物の進化。
棘をうまく使って生きている人たちもいるように思う。
それも一つなんだろう。
棘を活かす進化。
棘を仕まう進化。
僕は仕まえたんだと思う。
僕はそれでよかった。