メモの取り方/どこに書くのか

綴じていないルーズリーフだったか、バラせるメモ用紙だったかに、取った会議のメモをバラバラにして順番が分からなくなってしまった人を見たことがある。他方で、ノートに書いたメモを人に渡すために、破っているのを見たこともある。
メモなんだから、どこに書いてもいいというのも確かだが、それをどう使うかによってメモを取る媒体を分けるのも、うまくメモを取るコツといえる。

単発のメモであればメモ用紙

一般に販売されているメモ用紙というと、ペリペリと一枚ずつ離せるようになっている。ただし、メモ用紙といっても用途は限定されているように思う。
こういったメモ用紙では、そもそも小さいことが多いから、1枚に書ける内容も限られる。内容が多く複数枚になってしまうようなメモは書きづらい。冒頭に出てきたようにバラバラにしてしまうと、順番が分からなくなる。もちろん、番号を振っておけばいいのだが、そんなことをするくらいなら、そもそもノートを使うなり、もっと大きな紙に書くほうがいい。
ただし、ペリッと簡単に外せるので、誰かにちょっと伝えたいことだったり、用件が少なく持ち運びたいようなものだったりするメモに使うのは便利。メモの取り方 /メモを取れない人がいるで書いたような、電話を受けたときのの言伝や、買い物のためのメモには最適だ。
また、例えばクリアファイルに書類をまとめた際に、不足ぶんだったり、ほかにしなければならない作業を書いて挟んでおくという用途にもいいだろう。
1枚に収まる内容、切り離す理由があるものであれば、メモ用紙というのは最適といえる。ただし、誰かに渡すにしろ、自分が持ち運ぶためだろうと、ノートに書いたうえで書き写してもいいのだから、最初からこういったメモ用紙を使わなければいけないということでもないだろう。

目的別にノートを分けるか一冊で済ませるか

会議録をつくるためのメモだったり、原稿を書くためのインタビューのメモだったりするのであれば、時系列にどんな話題になったという要素も重要だから、ノートがいい。
ノートにメモをする際は、最適な範囲でノートは分けたほうが使い勝手はいい。
会議の種類ごとにわけてもいいし、(関連のない)複数の仕事を並行しているのであれば、別々にノートを分けるという具合だ。このメモは何の話について書いてあるのか分からなくなったりしないし、そのメモを元に何かしなければいけないときに、探すのが容易になる。たとえば、飲食店であればレシピなどのメモと、従業員同士の連絡用、お客さんの情報(いつ来たのか、どんな人だったか、何を食べたり飲んだりしたのか、どんな話をしたのかといったもの)などは分けたほうがいい。
工場だったりで、複数の製品の制作に携わっている場合も、製品ごとに分けたほうがいいかもしれない。
ただし、これは自分で管理できる場合に限る。そのノート手元にないからと、別のノートに書いてしまうのは仕方ないにしても、後できちんとなんらかの方法で写すという作業は不可欠だ。
学校での授業のノートを例えてみよう。仮に授業を受けるときは一冊のノートに書き、毎日復習のために科目ごとのノート転記するようにするとする。しかし、毎日全科目復習するのは現実的ではないし、結局授業を受けるために過去のノートが必要になるのであれば、持ち運ぶものが増えるだけになる。もちろん、それが実現できるのであれば、授業を受けるためのメモとしてのノート以外に、キレイに整理されたノートもできるのだが、本人のやる気次第であり、やる気がなくなったときは単に使いづらいだけになってしまう。仕事であれば、科目をプロジェクトクトに読み替えても同じだ。
逆に言えば、後で整理をする前提だったり、そもそも整理する必要がないのであれば、とにかくメモのためのノートは一冊に集約してしまうってもいい。とにかく、その場で書くのは一冊のノートで、後で目的別にノートに書き写す/コピーを貼るといった具合だ。メモはノートに手書きだけど、パソコンに取り込んで整理・管理するのであれば、一冊のノートで済ませるという手もある。また、それぞれのメモ(記録)の内容に関連がないものばかりであれば、複数に分けたところで無用に増えるだけで、管理しづらくなる。
なお、一冊のノートにまとめる利点もある。時系列に自分がなにをしてきたのかという記録になること、そして持ち歩く荷物は少なく、忘れ物をしづらいということがある。
なお、私の場合、仕事関係は基本的に一冊のノートでまとめてしまっている。もちろん前述のメモ用紙のようなものを使うこともあるが、打ち合わせから、作業メモ、その場で決まったスケジュールなど、とにかくさっと書かなければいけないものはB5サイズA罫のノートにしている。スケジュールやTodoなどは、デジタルでの管理だが、これはあとでスマートフォンなりパソコンなりで入力する。もちろん、打ち合わせ中にスマートフォンで入力したところで大した時間ではないが、ノートにペンを走らせたほうが、よほど短時間で済む。操作にもたついて、相手を待たせるよりはいい。
いずれにしても、一冊で済ませるにしても、複数に分けるにしても、用途以上に本人がどこまで管理できるかということが重要になる。

一枚の紙だって用途によっては便利

特定の作業のために、メモのための紙を用意するということもある。これは、先述のメモを後で別のものに転記するのとちょっと似ている。
たとえば、複数の人に話を聞いてそれを集約して調整しなければならないような場合だ。もちろん、A4ノートで見開きにA3として使えるならいいのだが、B5見開きでもB4相当では小さいということもある。ただし、ノートを見開きに使うとなると、やはりページの分かれ目の中央部分で、書ける量が減る。複数の日にかけて、メモを作っていく場合、ノートだと連続性がなくなってしまう可能性もある。切り離せるメモ用紙だと、バラけてしまい一覧性に乏しい。
こういったときは、A4の紙やA3の紙を1枚用意して、ひたすら書いていったほうが見渡しやすいということも多い。ただし、あくまでもその紙を紛失しないようにする注意がいる。別に転記するにしても、写し間違えてしまう可能性もある。書きうつす項目をわすれてしまうことだってある。縮小コピーしてノートに貼り付けてもいいし、スキャンしてPDFや画像にして保存してもいいだろう。もちろん、スマートフォンで一枚写真撮っておくだけでも十分だ。
ただし、1枚の紙でだいたい収まるということが想定できることに限られるのが難ともいえる。思ったより内容がなく、用意した紙の半分も使わなかったのであればいい。逆に1枚で収まらずに複数枚必要になるような場合だ。前述のようにバラけてしまう可能性がある。かといって、重ねてステープルで綴じてしまってはノートでメモを取ったのと変わらなくなってしまう。
もちろん手書きである必要はない。ワープロソフトやエディターのようなものに書いていってもいいし、聞く内容が決まっているなら、事前に項目だけ作っておいたエクセルの表を埋めていってもいい。

ノートの大きさについて

何にメモをとるのか。もっとも重要になるのが、そのときの状況だ。
立っているとき、メモを取らなければいけなかったらどうだろう。刑事もののドラマで私服警官がメモを取るといえば、小さなメモ帳だ。A4のノートなどは使いづらいし、A4のコピー用紙1枚を立って、メモするのも難しい。ノートパソコンを片手で支え片手でキーボードを入力ということもできなくもないだろうが、効率は悪そうだ。
立ち話のときにメモを取るのであれば、表紙/背表紙がしっかりしていて、下敷きのように使える、小さなノートがいいというのは分かるだろう。その代わり、1ページに書ける量はどうしても少なくなってしまう。
立ち話でなくても、どこに座るかによっても、こうした表紙が硬い小さなノートが役立つこともある。たとえば、ソファーに座り机が遠かったり低かったりするとき。そもそも机がないような状況。もちろん、クラムシェルのノートパソコン、つまりラップトップパソコンであれば、文字通り膝の上に乗せて使える。
一方、椅子にすわり適切な大きな机でメモが取れるのであれば、なんでも構わない。ただし、あまり小さなメモ帳では効率が悪いかもしれない。それでも、立ってメモを取ることのほうが大半で、たまに机で使うというのであれば、小さなメモ帳をそのまま使ったほうがいいのだろう。
私のばあい、前述のようにB5サイズのノートを使っているが、それは座って机でメモが取れるからだ。多少小さな机だったり、行儀が悪いけれどソファーのひじ掛けでメモを取らなければいけないこともあるし、持ち運びを考慮してB5にしている。以前はA4のノートを使っていたが、あまりページをめくらずにいっぱい書ける利点があったが、使うカバンがノートの大きさに制限されてしまうことが不便で変更した。
また、立って話を聞かなければいけないことは、年に数度あるのだが、その時は、別途ノートを用意するようにしている。表紙がそこそこしっかりしているB6サイズくらいのダブルリングノートにしている。たとえば、同じB6サイズの普通の中綴じのノートだと、B6サイズで使うのが難しい。開いてしまうとB5サイズで不安定。かといって1ページ分になるように表紙と裏表紙がくっつように、普通とは逆に開くと、ノートがボロボロになっていく。ダブルリングノートであれば、くるりとページをめくれるので、ノートが痛まないで済むという具合だ。
ダブリングノートは、必要であれば、破って人に渡せるのは便利。ただし、スキャナで取り込みづらいというデメリットもある。
ちなみに、突発的に立ち話でメモを取らなければならないときは、スマートフォンが便利だ。メモ帳的アプリでもいいし、メールの新規作成でひたすら書いて保存しておき、あとで自分にメールしてもいい。片手でフリック入力ができるのであれば、割となんとかなるだろう。入力速度に関しては、パソコンで入力するときや、ペンで書くときでも同様に問題になる。これは訓練としか言いようがない。

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