2024年9月 良く聴いた音楽など(2/2)
■平沢進「植物電子の本 / The Book of Phytoelectron」 2024年
前々から予告されていたギターインストアルバムです。
精神世界の情景の中で揺蕩うような、澄んだ瞑想的な世界。
途中まで作られていた楽曲を2020年に「廃棄MP3」としてリリースし、新たに作られた楽曲群は、また異なる世界観で統一された10曲。あらためて作成されたからこその魅力を感じます。
■HAGANE「Life Goes On !」 2024年
実質1曲目の「天下五剣」が本当に素晴らしい出来。良い楽曲、良い歌、良い演奏が揃っていて、このジャンルが好きなら堪らないはず。
・天下五剣
DragonForceの「Black Winter Night」を思わせる「Life Goes On !」も、サビのメロディがエモーショナルで独自の良さを感じます。
・Life Goes On!
■Zombie Ritual「NIGHT OF THE ZOMBIE PARTY (2024 remaster)」 2024年
アルバム「Night of the Zombie Party」、EP「Zombies from Tokyo」、デモ「Fast and Alcoholic」に、未発表曲1曲を収録した作品。全編リマスター。
コード感やギターソロに叙情性のある「Zombies from Tokyo」の楽曲が特に好み。
■Zombie Ritual「Dawn of the Zombie Slaughter (2024 remaster)」 2024年
アルバム「Dawn of the Zombie Slaughter」と各種スプリット作品を収録した作品。全編リマスター。
激しい中にこそ、「Zombie Angels Fallen」のサビや、「Zombie Jesus on the Cross」のギターソロなど、叙情的なパートが印象に残ります。
■トゲナシトゲアリ「棘ナシ」 2024年
OP曲「雑踏、僕らの街」、ED曲「誰にもなれない私だから」から始まり、アニメの進行に合わせて8曲目まで続く構成。
ライヴシーンの感激を思い出す「空白とカタルシス」はあらためて聴いても鳥肌もの。
トゲナシトゲアリ以外の劇中歌も含んでいて「空の箱」、「視界の隅 朽ちる音」、「心象的フラクタル」、「Cycle Of Sorrow」なども自然に聴ける構成。
新曲の「闇に溶けてく」、「蝶に結いた赤い糸」はどちらもこのためにアルバムを購入しても良いと思える、エモーショナルでメロディも歌詞も耳に残る楽曲。
・トゲナシトゲアリ「闇に溶けてく」試聴動画
■加藤恒太・中嶋康二郎「かまいたちの夜 アニバーサリーアレンジパック」 2024年
「かまいたちの夜×3」の特典CDです。
今回の特典用の制作された全20曲のアレンジヴァージョンは、原曲のイメージに沿いながら魅力が豊かに拡張された、このためだけにでも購入する価値がある一枚。
作品世界への扉となる「Overture」からの、原曲には無い展開を見せる「Introduction」にまず感動。
暗黒チェンバープログレ的な魅力の増した「かまいたちの夜」、緊迫感の高まる「ひとつの推理」に戦慄。
感傷的でロマンティックな情感も魅力的な「レクイエム」、「失くしたものは・・・」、「長い夜の始まり」に聴き入り、「懐かしいあの風景」、「すてきな宝物」に涙腺が緩みます。
そこで終わらず、「遠い日の幻影」がラストで、しかも和風プログレハードと言えるような、10分を超える大曲アレンジになっている所にも、音楽作品として深く満たされるものがありました。鳥肌収まらず。