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あおいおそらに くるまとばなな

幼い子どもとの毎日のお散歩。
平日は大抵、朝の身支度終了次第の出発なのだが
起床や出発の時間が微妙なときに生じるのが
お昼ご飯どうする問題

私の要領が悪いといえばそうかもしれないが
早く散歩を終えられればよいものの
いつもこちらの思い通りになるはずがない。
子どもにできる限りあたりたくないし
たまにならまだしも、頻繁にお店で食べるというのも難しい。

そこで、時折実践するようになったのが
青空ランチ(もしくは おやつ)である。
表題のフレーズが浮かんだ、少し前の青空ランチについて
懐かしみながら綴ろうと思う。


あおいおそらに くるまとばなな

家の近くにスーパーがなく
食料品を求め、片道1.5kmほど歩いていた時期があった。

自転車を買うのも手だったろうが、どうも気が乗らなかった。
ネットスーパーもあるといえど
パソコンを開くのも難しければ、スマホでの注文もなかなかに辛い。
散歩になるし献立も浮かびやすいからと、スーパーへ足を運んでいた。

そんなところへ、ベビーカー断固拒否期が到来した。

乗せようもんなら、通報されかねないほどのギャン泣き。
かと言ってそれほど歩いてくれるわけもなく
数メートルごとの「だっこ」。

帰りは荷物が増えるのはもちろん
家が近づくにつれ、静かに、そして重たくなっていく…。
家の扉を開ければ、快眠を邪魔され、不機嫌モード爆発
もしくは、次のお目覚め後の変なタイミングに爆食いか…。

私の自業自得な面は多々ある。
しかし、せめて少しでも何とかできることはないだろうか…。


そんな折、いつものように買い物を済ませてスーパーを出ると
子どもがエコバックをのぞきこみ、何かを取り出した。
「ぱん たべるー」
手には、買ったばかりのロールパンの袋。
朝もパン食べたから!と、言いかけてやめた。
スーパーを出てすぐのところにあるベンチに座り
本人の気が済むまでロールパンをかじらせた(結局4本)。

ちょうどその頃は
食べたものを口から出して楽しむ
好きなものか今の気分のものでない限り、口を閉じて食べようとしない
など、食についての悩みが尽きなかった。

ただ、いくら栄養バランスを考えても、味付けや形状を工夫しても
本人が食べなければ無意味なのだ。

ならば、毎食ではないのだし
こちらが真剣になりすぎて、お互いが嫌な気分になる必要はない。
本人が食べたいものを、食べたいときにあげる
それでよいではないか…!


その日を境に
家やお店以外で、ランチ/おやつタイムが取りやすいスポットを探すようになった。
屋根付きベンチのある公園では、私も一緒にランチやおやつを食べた。
子どもにとっても気分転換になるのか
同じものでも、外で食べているときの方が楽しそうに見えた。

1番楽しそうだったのは
大通り沿いの歩道のベンチで、バナナを食べていたときだ。
秋晴れの空の下、大小様々な車が行き交うのを眺めながらバナナを頬張る子どもは
まさに、至福のひととき!と言わんばかりの顔をしていた。
空の青とバナナの黄の配色もまた、その幸福感を一層強く印象づけたのかもしれない。
当時の写真は、何度も見返す1枚となっている。


ToDoに追われっぱなしの日々に
ただの個人的な振り返りを、それもnoteという場で公表するのはいかがなものかと思いつつ…。

自分にとって、書くことは
時間を忘れて没頭できることであり
頭の中を整理し、前進させてくれることなのだと再認識できた
(とはいえ、没頭しすぎには要注意だが)。

もし、大きくなった子どもがこれを読んだらと考えると怖くもあるが
どんな反応であれ、楽しむとしよう。

そして、これを読んで
少しでも、ほっこりできた、良い気分になれた
という方がいらっしゃれば幸いである。

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