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kyu3a
ドローンの課長 (毎週ショートショートnote、シロクマ文芸部)
雪化粧が綺麗だねなどと、私の顔を見つめながら言った課長。
私の肌は確かに白いが、コネ入社と聞いている。
ゲームやドライブ三昧由来の特技から、あだ名はドローンの課長。
昼前、取引先からの電話に出ると、当社向けではなさそうな資料がドローンから届いた、とのこと。
確認すると、他社向けの価格資料だった。
「ドローンします!」
課長は一言放ち、部屋から出て行った。
先ほどの取引先には謝罪し、資料の破棄をお願いした。
正しい相手へ資料を持って行くかと思いきや、またドローンで送るとは。
怒りを抑えきれず、通称ドローン操作部屋へ行くも、課長はいない。
部長に話すと
「アイツ、逃げたな。
貴方には通じないよね。
すまないが、GPSでわかるはずだから、これで捕まえてくれ。」
と、網のついた最新式ドローンを渡された。
課長が唯一、私のためにしてくれたことを思い出した。
部下の資格スクール費用を部費負担にと掛け合ってくれた彼に向け、私は今、初めてドローンを飛ばす。
(410字)
※当記事は、以下の2つの企画への参加記事です。
ドロンする、イタメシ、ケツカッチン、ベルサッサ…etcの意味は、発言者に聞いて知った人間でした…。