日本の色の誕生色 (16日*色の日のいろいろ-色俳句16819-)
誕生色の存在を知ってから、自身の大切な人の誕生色を調べるようになりました。これを機に出逢った色が多々あります。
また、note上でのコンテストや企画をきっかけに、気づけば短歌や俳句を詠むようにもなりました(我流ですが)。
そこで
・普段あまり耳にしなさそうな色名と触れる機会を作りたい
・語呂合わせになる
ということから、調べて知った色やその色名にちなんだ俳句、色俳句(16819)なるものを詠んでみました。
俳句の厳格なルールに則っておらず、ひとまず五・七・五(ぐらい)のリズムになれば…というお遊びですが…
そのなかで、今回は日本の色についてのものを掲載いたします。
※誕生色は、こちらから確認しております。
4月22日 鸚緑(おうりょく)、鸚鵡緑(おうむみどり)
「みぃつけた」 目の冴える羽 真似る声
鸚鵡(おうむ)の一種であるヒワコンゴウインコの羽のような、強い黄みを帯びた緑色です。英語のパロットグリーンと同じです。
このインコの羽は、所々に異なる色が入っており、とてもカラフルですよ。
緑というと自然、平和、安らぎ…といった穏やかなイメージが強いですが、この緑はどことなく強さや逞しさが浮かぶような気がします。
ただ、強さや逞しさも、自然界において必要なものですよね。
5月4日 小鴨(こがも)色
田水張る 皆で散歩か 引越か
子どもの鴨ではなく、小鴨という種類の鴨の首のあたりに見られる色です。
小さな鴨たちが親鴨の後を追う光景は、なんとも愛おしいですよね。
また、偶然知った「田水張る」という夏を表す季語。5文字でこれほどの情景を表現できるのは、素敵だなと思いました。
6月30日 薄群青
絵と心 淡き移ろい 空のよう
群青を淡くした色です。
群青は、その名の通り青が群れ集まるという意味で、岩絵具(鉱物を砕いて作った絵の具)の色です。
この岩絵具は、古代より日本画や仏教美術には欠かせないものです。
本来は鉱物の瑠璃(ラピスラズリ)が使われていましたが、日本では産出されないうえに貴重で高価な鉱物でした。
そこで、日本でも産出される藍銅鉱(アズライト)を原料とする岩群青が使われるようになったそうです。
岩絵具は、粒子が細かくなるほど淡くなるため、薄群青もそうした工夫から作られた色なのでしょうね。
ただ、粉末にしたアズライトは不安定で、年月を経るなどすると緑のマラカイトに変化してしまうのだとか。
それゆえ、壁画の中には、青の中に混じって緑色が見えるものがあるそうですよ。
また、薄群青の色言葉に「向上心」があります。常に!というと息苦しくなってしまいそうですが…少しずつでも成長しよう、変わろうという意識は、持っていたいものですね。
10月19日 銀鼠
慎ましさ 気品を添える 五彩「淡(うす)」
銀色を帯びた鼠色です。実際に金属的な光沢を放っているものではなく、明るい灰色を指します。
銀鼠は、墨の五彩(水墨画のグラデーション)のうち2番目に薄い「淡」に当たる色。
また、色言葉に「慎ましさ」、「気品」があります。
墨の濃淡のみで表現することも、そもそも濃淡の差異を見分けることも難しそうですよね。
12月12日 鮭色
赤でなく 白身魚と いつ知った?
鮭の身のような明るい黄みの赤色です。
鮭は、白身魚です。私は、子どもの離乳食を作るようになってから知りました…。
身が赤く見えるのは、甲殻類にも含まれるカロテノイド系色素のアスタキサンチンが含まれているからだそうです。
偶然ですが、昨日の夕食のメインは鮭にしました。
おわりに
ここまでお読みくださり、ありがとうございました。
当記事が、新たな色との出逢いや話のネタとなったのであれば、嬉しいです。
これまでの「色の日のいろいろ」シリーズは、自身の考察が主だったため「である調」でした。
今回は少し趣が異なるため、「です・ます調」にしてみました。文章量も全然違います。
次回の「色の日のいろいろ」シリーズ投稿も色俳句(16819)かもしれませんし、まったく異なる趣向になるかもしれません。
それらを含め、「色の日いろいろ」として、続けてまいります。
(webサイト以外の参考文献)