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テイラー・スウィフトとレピュテーション

タイトルにあるように、テイラー・スウィフトの最新アルバム「レピュテーション」とライブツアーの「レピュテーション・スタジアム・ツアー」について書きます。

テイラー・スウィフトだけでなく、このノートをきっかけに海外の音楽に興味をもってもらうことを目的にしています。


テイラー・スウィフトは1989年生まれのアメリカのシンガーソングライターです。デビューは2006年で、スタジオアルバムは1枚目の「Taylor Swift」から2017年の「reputation」まで6枚発表しています。
グラミー賞の主要4部門のひとつである最優秀アルバム賞を2度受賞していて、自身の生まれた年をタイトルにしたアルバム「1989」は全世界で1000万枚以上を売り上げています。

さらにテイラー・スウィフトは音楽の以外の活動も注目されています。

テイラーは今年の11月6日に行われた中間選挙にさきがけ10月7日に自身のInstagramで今まで政治的発言をしてこなかった理由を説明しテネシー州の共和党候補への不支持を表明しました。その結果、テイラーが意見を表明した直後の24時間に65000人が新たに有権者登録をしました。

さらに11月19日にユニバーサルとの新たな契約を結んだことが発表されました。それは、ユニバーサルが所有しているストリーミングサービスSpotifyの株式が今後売却された時には所属アーティストに利益が分配される、というものでした。Apple MusicやSpotifyといったストリーミングサービスに当初反対していたテイラーの姿勢がここでもうかがえます。

このように自身の音楽活動だけでない影響力をもっている人物だということが分かります。


次にアルバム「レピュテーション」と「レピュテーション・スタジアム・ツアー」について書きます。

「レピュテーション」は2017年11月10日に発売された6枚目のアルバムです。2019年の2月10日に行われる第61回グラミー賞のベストポップボーカルアルバム賞にノミネートされています。

全世界で450万枚を売り上げて、エド・シーランの「÷(ディバイド)」に次いで2017年世界第2位のセールスを記録しました。当初CDとデジタル販売のみが行われていたのですが、12月1日にストリーミング配信が解禁になりました。

次に「レピュテーション・スタジアム・ツアー」は2018年3月8日にアリゾナ州のグレンデールから始まり11月21日の東京ドームで53公演のツアーを終えました。

フロントアクトは、北アメリカとヨーロッパのツアーでカミラ・カベロとチャーリー・XCX、オーストラリアとニュージーランドでチャーリー・XCXとニュージーランドの兄妹デュオのブルーズ、日本ではチャーリー・XCXでした。

今回のツアーで、自身が「1989・ワールド・ツアー」で達成した女性アーティストとしての記録とザ・ローリング・ストーンズの全アーティストの売上記録を更新し、アメリカで全38公演を行い約300億円を売り上げました。

日本公演のフロントアクトのチャーリーXCXは昨年のサマーソニックをキャンセルしたので2015年の単独来日公演いらい3年ぶりのライブになりました。チャーリーXCXは1992年イギリス生まれのシンガーソングライターです。ミュージックビデオにONE OK ROCKのTakaが登場している「Boys」、今年来日したムラ・マサの「1 Night」、様々なオマージュが満載のミュージックビデオとともに「1999」を発表しています。

そして2018年12月31日にNetflixで「テイラースウィフト:レピュテーション・スタジアム・ツアー」として、テキサス州ダラスで10月6日に行われた北米ツアー最終公演が配信開始されました。


テイラー・スウィフトが「レピュテーション・スタジアム・ツアー」の東京ドーム公演でもNetflixで配信されたダラス公演でも発言していたように、今回のアルバムとツアーのテーマは、テイラー・スウィフトのような有名人にもツアーに来ている一般の人にも共通している"評判=reputation"です。

テイラーは1枚目のセルフタイトルアルバムから一貫してアルバムを発表するごとにアルバムの内容をアップデートすることで驚異的な売り上げを維持し熱狂的なファンが多い一方で、音楽賞の受賞時のリアクションがわざとらしいとされたり、"テイラー・スウィフト軍団"の存在や恋愛遍歴を揶揄されたりしています。時にはTwitterでニッキー・ミナージュやケイティ・ペリーから発言をされています。

このような背景から今回のアルバムで挑戦が行われています。

音楽的には「1989」のように多くの人がアクセスできるような明るいエレクトロ・ポップから変わって、「レピュテーション」ではラップとR&Bを合わせてエド・シーランとアトランタ出身のラッパーであるフューチャーが参加している「エンド・ゲーム」が収録されています。

そして有名人でいることの二面性を「Look What You Made Me Do」でキム・カーダシアンからの批判を織り込んだ歌詞を入れて好戦的に振舞ったり、「Delicate」では歌詞とミュージックビデオで苦悩を吐露したりして表現しています。


結論としては、デビューから音楽だけでなく他分野でも驚異的な活躍をしてきたテイラー・スウィフトの新たな挑戦が見られるのが最新アルバム「レピュテーション」と「レピュテーション・スタジアム・ツアー」である、ということです。


「レピュテーション」は11月に発売開始されたにもかかわらず450万枚を売り上げて2017年に世界第2位のアルバムになりグラミー賞にも1部門ノミネートされましたが、前作「1989」に比べ売り上げが半減しグラミー賞で獲得した最重要部門の最優秀アルバム賞のノミネートも逃しました。

さらに、2017年ロックの売り上げを歴史上初めて超えたようにアメリカを中心にラップ/R&Bのアーティストの活躍が注目されています。

つまり1992年の1月にニルヴァーナの「ネヴァーマインド」が歴史に残るポップ・スターであるマイケル・ジャクソンの「デンジャラス」を抜いて1位になった時のように、ポップ・アーティストには厳しい時代になっていくと思います。

このような状況の中で世界でトップクラスのポップ・スターであるテイラーが次にどのような動きを見せるのかを期待して終えたいと思います。



ゴールデングローブ賞でレディ・ガガにトロフィーを渡すテイラーを見ながら