サマソニ2019のヘッドライナー
タイトルにあるように、今週発表されたサマーソニック2019のヘッドライナーについて書きます。サマーソニックだけでなく音楽に興味をもってもらうことを目的にしています。
サマーソニック2019のヘッドライナーは2019年の1月16日から3日間連続で発表されました。サマーソニックは例年2日間開催されるのですが、2009年に開催された10周年の時と同じく今回も20周年で3日間開催になっています。
今年のサマーソニックの目玉は日本人初のヘッドライナーでした。1月16日にレッド・ホット・チリ・ペッパーズ、1月17日に日本人初のB'z、1月18日にザ・チェインスモーカーズが発表されました。1月17日の発表段階で3日目のチェインスモーカーズが誤って発表されたのも話題になっていました。
個人的にサマーソニックに参加したのは2017年と2018年の2回だけです。
2017年は8月19日の1日目だけ参加してamazarashi、Jose James、Dua Lipa、Hyukoh、Kehlani、Black Eyed Peas、Calvin Harrisを観ました。
目当てだったのはDua Lipa、Hyukoh、Kehlani、Calvin Harrisでした。Charli XCXも注目していましたがキャンセルになりました。
2018年は8月18日と8月19日の2日間参加しました。
1日目にはHer Name In Blood、向井太一、Dream Wife、少しYogee New Waves、Pale Waves、Billie Eilish、IAMDDB、Shawn Mendes、Marshmello、Noel Gallagher's High Flying Birds、Tame Impalaを観ました。
2日目にはRIRI、Knox Fortune、SKY-HI & THE SUPER FLYERS、少しENDRECHERI、Petit Biscuit、Walk The Moon、Rex Orange County、途中からレキシ、Jorja Smith、Chance The Rapper、Beckを観ました。
目当てだったのは、Dream Wife、Pale Waves、Billie Eilish、Shawn Mendes、Marshmello、Noel Gallagher's High Flying Birds、Tame Impala、SKY-HI & THE SUPER FLYERS、Rex Orange County、Jorja Smith、Chance The Rapper、Beckでした。
2017年に比べて2018年は観たいアクトが集中していました。
このように、2017年と2018年で注目していたのはポップとヒップホップ/R&Bのアクトでした。
2018年のサマーソニックではショーン・メンデスがフランク・オーシャンのThinkin Bout You、ビリー・アイリッシュがドレイクのHotline Bling、ジョルジャ・スミスがTLCのNo Scrubsをカバーしていて、普段聴いている音楽がつながっている感覚がありとても印象深いフェスになりました。
今回のヘッドライナーを見て感じるのは観客動員が見込めるのではないか、ということです。
2013年にMr. Childrenが8月11日のマリンステージでThe Smashing Pumpkinsの後ヘッドライナーであるMuseの前に出場して、2010年代では最高の入場者数を記録しました。
一方、去年2018年のサマーソニックは2004年以降最低の動員数を記録しました。
自分が興味をもっているアクトが多くてもその感覚がシェアされていないのはさびしい気もしますが、Mr. ChildrenやB'zのような日本人の誰もが知っているようなミュージシャンが出場することで動員を回復する狙いがあると考えました。
以前のノートに書いたのですが、アメリカでは2017年にヒップホップ/R&Bが歴史上初めてロックを抜いて音楽ジャンル別売り上げのトップになりました。
2017年の1日目8月19日にはDJやプロデューサーとして活躍しているカルヴィン・ハリスがヘッドライナーでした。
その時は最新アルバムFunk Wav Bounces Vol. 1が6月30日に発表されたタイミングでした。
このアルバムにはフランク・オーシャン、ミーゴス、ヤング・サグ、ファレル・ウィリアムス、フューチャーといったヒップホップ/R&Bのアーティストだけでなくアリアナ・グランデ、ケイティ・ペリーといったポップのアーティストも参加していて、最近のトレンドを反映した素晴らしい作品となっていました。
正直なところ今回のヘッドライナーはこのような最新のトレンドからみると少し古い印象を感じてしまいます。
洋楽のヘッドライナーを例にとると、レッド・ホット・チリ・ペッパーズはジョン・フルシアンテが在籍していた90年代から2000年代の作品が素晴らしく、U2の作品にも参加しているプロデューサーのデンジャー・マウスを最新作The Getawayに起用していたりするのですが、過去の作品の魅力の方が大きいと思っています。
そして、チェインスモーカーズは2017年のアルバムMemories...Do Not Openが全米1位を記録したのですが、2018年のアルバムSick Boyはダンス/エレクトリック部門では1位になりましたが全米は最高53位に終わりました。
カルヴィン・ハリスがEDMから離れて挑戦を見せて全米2位を記録したFunk Wav Bounces Vol. 1と比較しても音楽的な魅力はとぼしいと考えています。
結論としては、動員を見込めるという意味では今年のヘッドライナーはすばらしく2018年のように最新のトレンドを意識したアクトの多いラインナップが観たい、ということです。
ヘッドライナーが発表されてから様々な反応がネットでみられました。
その中で気になったのは、キャリアが長いレッド・ホット・チリ・ペッパーズとB'zに対する不満と彼らのファンによる反発でした。
歴史的に評価が固まっているミュージシャンをヘッドライナーに起用することに対しては多少違和感をもっていますが、繰り返し書いてるように動員の面ではプラスが大きいと思います。
それよりも気になっているのは最新の音楽を聴いている人があまりいないのではないか、ということです。
2018年のサマーソニックでラインナップされたようなアクトや彼らとつながりがあるミュージシャンの作品を聴いた後にそれでもキャリアが長いロックバンドがヘッドライナーを務めることを支持する人が多いなら、ガラパゴス化していると言われたとしても良いと思います。
アメリカを中心とするグローバルな視点からみると、SpotifyやApple Musicといったストリーミングサービスの普及により音楽を聴く人とヒット曲が増えました。
一方2018年のSpotifyで日本でもっとも再生された曲は1位がDAOKOx米津玄師の打上花火、2位がエド・シーランのShape of Youでどちらも2017年に発表されていました。
今回のノートを読んで少しでも最新の音楽を聴こうと思ってもらえると嬉しいです。
アリアナ・グランデの7 ringsを聴きながら