その知らせは突然に…
11/7 AM11:03
スマホから、LINE通知が届きました。
「長谷川健太監督 辞任のお知らせ」
一瞬我が目を疑ったのと同時に、「やっぱりな…」というどこかで予想もしていた内容でした。
0-8の敗戦
11/6 横浜Fマリノス戦。
まさかの0-8の敗戦。
野球ではありません、サッカーの一試合のスコアです。
DAZNで試合中継を観ていましたが、正直途中から記憶がありません…。
(現地で観戦されていた方、本当にお疲れ様でした。)
一体何が掛け違ってこのような試合になったのか、記憶も朧気ですし、見返す気持ちにもなれないので、分析や評論は専門の方にお任せしますが、とても印象的だったのが試合終了後の長谷川健太監督の会見。
※健太さんの会見シーンは4:41:30頃より
DAZNでのインタビューや、青赤パークオンラインで流れたインタビューで思いましたが、このような試合後にも関わらず、健太さんは清々しく、そして堂々と丁寧に言葉を紡いでいました。
私の印象ではありますが、健太さんは勝った試合よりも負けた試合の方が饒舌な気がしますが、昨日の試合はそれだけでなく、何か覚悟を持ったような語りだったような気がしました。
「…健太さん、辞めちゃうかもしれない…。」
健太さんの顔を見ながら湧きあがった予感が、的中してしまいました。
どんな負け方をしたとしても、健太さんの価値は下がらない
今シーズン通しての成績を見れば、あまり良くはないことは分かります。
(天皇杯は大学生に敗北、リーグ戦5連敗…等々)
ただそれまでのシーズン、健太さんのサッカーは見るものをワクワクさせてくれましたし、厳しい条件下でも勝ち点を拾ってくる粘り強さは健太さんが監督でなければ恐らく生まれることはなかったと思います。
FC東京の良くないところの一つは、シーズン中いくつもあるターニングポイントの試合を勝ちきれないところだと思いますが、健太さんが就任して、落とす勝ち点は間違いなく減りました。
ルヴァン杯優勝した翌日の新聞記事で読みましたが、健太さんがチームに来てまず始めたことは、緩んだチームの雰囲気を締めるために、「ガムを噛まない」「必ず返事をする」等々の規律を作ったことだったそうです。
(その記事を読んだときは、それすらできていなかったのか、と驚きましたが…)
そのような取り組みから始め、次第に「大事な試合に勝てない」東京から、「戦える」東京に変えてくれたことは、健太さんの最大の功績だと思っています。
2019年、リーグ優勝まであと一歩のところまで来て、サポーターに夢を見せてくれたことも忘れません。
(あの時も優勝決定戦の相手はマリノスだったなぁ…)
準優勝に終わってしまいましたが、あそこまで優勝が現実に見えたシーズンは初めてでした。
リーグで優勝するのがいかに難しいか、優勝するためにはまだまだ足りない物があることを身をもって教えてもらい、万年中位のままでは決して見ることのできなかった景色を見せてもらえました。
(ちなみに本日の画像は、2019年最終節の日産スタジアムで開催された横浜Fマリノス戦の時のものです)
翌年の2020シーズン、リーグ優勝はできませんでしたが、タイトルから遠ざかっていたFC東京に2011年以来のタイトルをもたらしてくれたのも、健太さんのおかげだと思っています。
優勝報告会の健太さんの嬉しそうな顔は今でも忘れません。
それまではどこかとっつきにくい印象もあったのですが、普段のインタビューでは見せない内に秘めた熱さ、選手達を見守る温かな人間性が垣間見れて、ますます健太さんの魅力にはまるきっかけになりました。
0-8は決して褒められる結果ではないですし、時期が時期であれば即解任されてもおかしくはない結果だとは思います。
ただそんな結果を残しても、FC東京における健太さんの価値は決して下がることはないですし、「辞任」という文字を見ても、残念な気持ちしかありません。
たとえ今季で終了だったとしても、このような形のお別れではなく、ホーム最終節にスタジアムで挨拶をして、サポーターに惜しまれながら勇退してほしかった…
私をまたこの世界に戻してくれた人
プロフィール記事でも書いたことがありましたが、実は私はFC東京から離れていた期間がありました。
丁度2015年頃~2018年頃だったと思います。
(ただし就職した2012年頃から忙殺されて、徐々に見る機会は減っていました。)
当時は仕事についていくのに精一杯で、気付けばFC東京がない生活が当たり前になっていました。
そんな時、2018年11月に同僚からサッカー観戦に誘って頂き、初めて味の素スタジアムへ行くことになりました。
(実はFC東京の試合を現地観戦したのは、高校生の頃に埼スタのアウェーに行ったのが最初で最後だったのです。)
当時、既にサッカーを観なくなって数年経っていたので、FC東京にどんな選手がいるのかが分からず、予習をしていたところ、なんと同年より長谷川健太氏が監督として率いていたことを知りました。
サッカーから離れて久しくなっていても、エスパルス・ガンバで指揮を取り、特にガンバでは国内3冠を達成した監督のことを知らないはずがありませんでした。
国内屈指の名将が、FC東京の監督に…!
当時の私は、スタジアムに行く前から長谷川健太監督のサッカーが見られると、ワクワクしていました。
結局その時の試合は0-2で負けるのですが、久しぶりの現地観戦、そしてホーム最終戦だったので、最後に監督から挨拶があるのですが、その挨拶で私の心は鷲掴みされました。
※監督挨拶は21:20頃~
翌2019年は開幕戦からスタジアム通いが始まり、何度も奇跡を起こす健太さんのサッカーに心躍らせるようになり、気付けばいつの間にかFC東京が私の日常に戻ってきたのでした。
今は正直、Jリーグのない生活が想像できないくらいになりましたが、サッカーの楽しさを思い出させてくれたのが、まさしく健太さんだったのです。
そんな健太さんとの別れがこんな急にやってくるなんて、正直気持ちの整理ができません。
本当に辞めちゃったの?
徳島戦のベンチに、本当にいないの?
サッカーのある生活が再開した時、そこには必ず健太さんがいたので、健太さんがいない現実が受け止めきれません。
長年のサポーターなので、監督交代は何度も経験してきましたが、こんなにも悲しくて切なくて、別れるのが本当に惜しい監督は健太さんが初めてでした。
(原さんのときも本当に残念でしたが、今回とはまた違った寂しさでした…)
残された3試合
成績に関して責任を取るのは監督の役目でしょうし、今シーズンの成績を見れば、確かに続投は微妙なところだったと思います。
(公式発表はなかったので、サポーターとしては一縷の望みはありましたが…)
ただ、このタイミングでの辞任は必要あったのでしょうか…。
(今回は本人からの申し出らしいのですが…)
3年連続の異例な日程(ラグビー五輪・東京五輪の影響でアウェイ連戦が続きました)、怪我人の多さ、主力の海外移籍…その中でも、健太さんはその時その時の自分たちが持つ力を最大限発揮して戦い、結果を出してくださったと思っています。
健太さんの人柄や指導力、カリスマ性でここまでこれた部分はあったと思いますが、だからこそ今シーズン、健太さんへの負担が増していないか、心配をしていました。
5連敗をした時も、順天堂大学に負けた時も、監督の責任が0とは言いませんが、全ての責任が監督にあったとも思えません。
タイミング的に0-8の責任を取って辞任されたのかもしれませんが、それは果たして監督だけの責任にしてしまって良いのでしょうか…
Jリーグの最終盤にまさかの出来事で、今も呆然としていますし、色々な想いが駆け巡ってモヤモヤしています。
残り3試合、後任の監督は未定です。
2週間後には試合が待っています。
次に来る監督は(今シーズンは暫定で乗り切って、来シーズン始動より新監督という形になるかもしれませんが)、この4年間健太さんが培ってきた土壌を壊すことなく、更に発展させることのできる人を据えてほしい。
サポーターとしては、来年に繋がる、そして未来に繋がるサッカーを信じて応援していくのみです。
健太さんへの想いを書き綴っていたら、中村拓海選手のツイートが目に入りました。
今年チームで大きく成長した選手の一人。
きっと健太さんが温かくも厳しく育ててくれたんだよね。
拓海の気持ちが伝わってくるようで、一度止まった涙が零れました。
健太さん、ありがとう。
どんな時も選手の成長を信じ、厳しくも温かく見守り続けたその眼差しは絶対に忘れません。
健太さんとの4年間は絶対に無駄にしてはいけない。
絶対に忘れてもいけない。
この4年を土台にして、絶対にリーグカップ掲げよう。