うろ覚えむかしばなし 一寸法師

あやふや度 ★★★☆☆

むかしむかし、あるところにおじいさんとおばあさんがいました。
おじいさんとおばあさんには子供がいなかったので、神仏に熱心に祈りました。
すると、何らかの手段で小さな男の子が得られました。
男の子はとても小さく、身長が一寸(12cmくらい?)しかなかったため、一寸法師と呼ばれました。

一寸法師は年頃になると、都に上がって一旗揚げたいと考えるようになりました。
「おじいさん、おばあさん、私は都で立派な男になりたいと思います。
 おわんと箸と、それから縫い針を下さい」
おじいさんとおばあさんは心配しましたが、一寸法師の意志を尊重し、送り出しました。

一寸法師は川におわんを浮かべ、箸を櫂(かい)のようにして巧みに操縦しました。
そして一寸法師は無事、京へ上ることができました。
勇敢な一寸法師は、京の都であっという間に評判の若者となりました。

そんなある日、一寸法師はある姫君が鬼に困らされていると聞きつけました。
「姫様、私が鬼を退治してみせましょう。そして見事鬼を退治した暁には、私の妻になっていただきたい」
姫君は、小さな一寸法師が勇ましく言うのをほほえましく思い、この願いを了承しました。
ある日、姫君の元を鬼が訪ねてきました。
待ち伏せしていた一寸法師は鬼の口から体の中に入り込み、内蔵の中を縫い針であちこち刺しました。
鬼はあまりの痛みにたまらず逃げ出しました。

「姫様、鬼を追い払いました。結婚してください」
姫君は、軽い気持ちで良いと言ってしまったものの、このように小さな若者と結婚して良いものだろうかと悩みました。
ふと見ると、一寸法師と鬼が戦っていたあたりに何かが落ちています。
これを拾ってみると、打出の小槌(こづち)という宝物でした。これを振ると、そこにあるものをなんでも増やすことができます。
姫君が一寸法師に向かって小槌を振ると、一寸法師の身長がどんどん増え、年相応の大きさの若者になりました。
こうして、一寸法師は姫君と結婚し、幸せに暮らしました。
めでたしめでたし。


昔話の好きな子供でした。でも、あの頃読んだ昔話は今や記憶の中でうろ覚えのあやふやになり、混ざり合いごちゃごちゃになっています。
きちんとした話を目にしてしまう前に、うろ覚えの状態の自分の中の物語を書いておこうと思いました。
きちんとしたものを目にしてしまえば、うろ覚えの状態には戻れないのですから。

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