うろ覚えむかしばなし 白鳥の王子
あやふや度 ★★★★☆
あるところに10人兄弟の王子がいました。
王子たちには、妹がひとりいました。
何かしらのまずいことをしてしまい、王子たちは魔女により全員白鳥に姿を変えられてしまいました。
魔女は言いました。
「いらくさのかたびらを作って着せたら、王子は人間に戻れるよ」
いらくさは棘のある蔓状の植物です。
妹は痛みに耐え、血だらけになってかたびらを編みました。
妹は何らかの誤解により死刑になることになりましたが、運ばれる馬車の中でそれでも編み続けました。
そして死刑執行の寸前、すべてのかたびらを編み終わりました。
そのかたびらを着せると、白鳥たちは次々に元の王子の姿に戻りました。
誤解は解け、王子たちと妹は元通りお城で幸せに暮らしました。
めでたしめでたし。
昔話の好きな子供でした。でも、あの頃読んだ昔話は今や記憶の中でうろ覚えのあやふやになり、混ざり合いごちゃごちゃになっています。
きちんとした話を目にしてしまう前に、うろ覚えの状態の自分の中の物語を書いておこうと思いました。
きちんとしたものを目にしてしまえば、うろ覚えの状態には戻れないのですから。