うろ覚えむかしばなし 赤ずきん

あやふや度 ★☆☆☆☆

むかし、あるところ(ドイツまたはその付近)に女の子が住んでいました。
女の子はいつも赤いずきんをかぶっていたので、みんなに赤ずきんと呼ばれていました。
ある日、赤ずきんはお母さんのお使いで、森に住むおばあさんにワインと食べ物を届けることになりました。
おばあさんが病気になってしまったので、元気づけるためのお使いでした。

森には悪い狼が住んでいました。
狼は、赤ずきんに言いました。
「赤ずきん、赤ずきん、どこへ行くんだい」
赤ずきんは答えました。
「病気のおばあさんに、おいしいワインと食べ物を届けに行くの」
狼は言いました。
「ワインと食べ物だけで本当に満足かい?そこに花がたくさん咲いているよ。それを摘んで持っていったら、おばあさんはもっと喜ぶよ」
赤ずきんはそれもそうかと思い、花を摘み始めました。

狼はおばあさんの家に先回りをして、まずはおばあさんを丸呑みにしてしまいました。
そしておばあさんの服を着て、おばあさんのベッドに横になりました。
そこに、花を摘み終わった赤ずきんが到着しました。
「おばあさん、お見舞いに来たよ」
「おはいり」
狼はベッドで赤ずきんを迎えました。
赤ずきんは、ベッドの狼と話しました。何かいつものおばあさんと違う感じがしました。
「おばあさん、おばあさんのお耳はどうしてそんなに大きいの」
「おまえのかわいい声をよく聞くためだよ」
「おばあさん、おばあさんの目はどうしてそんなにぎらぎらしているの」
「おまえのかわいい姿をよく見るためだよ」
「おばあさん、おばあさんの口はどうしてそんなに大きいの」
すると、狼は布団をはねのけて赤ずきんに襲い掛かりました。
「おまえを食べるためさ!」

そこに、通りがかりの猟師がやってきて、素早く狼を撃ちました。あえて急所は外しました。狼は意識を失いました。
赤ずきんと漁師が狼の腹を裂くと、中からおばあさんが出てきました。
食べ方が丸呑みだったため、おばあさんは無事でした。
赤ずきんとおばあさんと猟師は、狼の裂いた腹に石を詰め込み、縫い合わせてから井戸に叩き込みました。
めでたしめでたし。


昔話の好きな子供でした。でも、あの頃読んだ昔話は今や記憶の中でうろ覚えのあやふやになり、混ざり合いごちゃごちゃになっています。
きちんとした話を目にしてしまう前に、うろ覚えの状態の自分の中の物語を書いておこうと思いました。
きちんとしたものを目にしてしまえば、うろ覚えの状態には戻れないのですから。

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