「自分を活かす、他人を活かす、組織を活かす。」~「自殺を防ぐ【TALKの原則】~
こんにちは。
「自分を活かす、他人を活かす、組織を活かす。」
統合カウンセラー&歌人の猫間英介です。
今日は、自殺を防ぐ【TALKの原則】についてお話しします。
キャリアの悩み、メンタルの悩みを伺っている中でも、面談の中でときどき自殺願望や自損行為の話が出てくることがあります。
日本の年間自殺者数は、1998年に急増し、それ以降2011年まで14年間連続で3万人を上回っていました。それ以降は3万人を下回っていますが、それでもまだ年間に2万人以上が自ら命を絶っています。他の先進諸国と比べても、まだ高い水準にあります。
企業での過労死による自殺もよくメディアで取り上げられていますが、私も数十年の会社勤めの中で、自分が知っている限り、自殺で亡くなられた社員が5人くらいいました。 自殺の既遂(自殺行動の結果、死に至った場合)にはならなくとも、希死念慮(死をイメージすること)、自殺念慮(死にたいと願うこと)、自殺企図(自殺を計画すること)については、人事関連面談の中で出てくることがときおりあります。
また、私は、長く企業のコンプライアンス通報相談の窓口部門の責任者をしておりましたので、ハラスメント被害者の方のお話を伺う中で、希死念慮、自殺念慮、自殺企図のお話が出てくることが何度もありました。通報者から私宛の電話やメールや、通報者との面談の中で、「もし、私の主張するとおりに会社が対応してくれなければ、私は自殺します。(通報者本人の中でハラスメントをしたと思われる)加害者を今すぐクビにしてください。」と、迫られたこともありました。
相談や面談の中で、自殺念慮、自殺企図などの話が出た場合の基本的な対応として、【TALKの原則】というものがあります。相談者に自殺の危機を感じた場合には、TALKの原則で対応しつつ、同時に、できるだけ早く精神科などの専門機関、場合によっては警察機関に繋ぐなどの必要な対応が求められます。
TALKの原則は、カウンセラーや専門家だけではなく、企業では人事担当者、管理職、リーダーなども、また、家庭や友人との人間関係の中で誰でも知っておくべき原則であると思います。 人生には苦しいこと、辛いことがたくさんあり、自殺願望というものは、いつ、誰に起こっても不思議ではありません。 他人事ではなくあらゆる人が自分事として捉える必要があると強く思います。
猫間英介