デザイン部署が全社で価値を発揮するためのノウハウと実践
こんにちは、クックパッドデザイン推進部の市原です。
2023年の7月末、クックパッドのデザイン横断部署が組織再編によって解散することになりました。
そこで2019年から2023年までの4年間に行われた施策と共に、その施策が行われた目的と、そこで得られた成果を紹介したいと思います。
全社に対してデザイナー組織ならではの価値の届け方、組織改善や課題解決のアプローチのヒントになればと思います!!
※全ての施策は部署のみんなで行ったもので私個人の成果ではないです。
ずいぶん沢山あったので、個人的に印象に残っている6つの施策をまとめました。それではどうぞ〜。
実践1.目標を広く社内に知ってもらおう!
おすすめ度 ⭐️⭐️⭐️ 難易度 💨
✋やったこと
「部署の構成と目標を見える化」
横断部署の人員構成や個人の役割、部署目標・個人目標を会社のミッションからブレイクダウンした図解にして、社内の誰でも見れる状況にしておきます。
⛳️目的
長期的な施策が多く関係する部署も多いため、自分達の現在地を把握しやすくする。また公表することで部の存在意義を他部署に知ってもらうそれによって社内コミュニケーションを円滑にする。
📝成果
横断部署が単にデザインの社内外注的な役割りではなく、目的に向かって施策をしている部署であることを社内の他職種方にも理解してもらえました。またメンバーが目標の振り返りもしやすく、自分達がなぜ日々の施策をおこなっているのかをミッションと紐づけてみることができました。
😃ひと言
評価時に自分達の目標の振り返りができてとても便利でした。また他部署のデザイナーに「横断部署は何をしているのですか?」と聞かれた時に、figjam を送るだけで「なるほど!」と理解してもらえるので説明の手間が省けました。ドキュメントの残すだけでも良いかもですが図解にしているところが理解しやすさのポイントかなと思います。
実践2.みんなが楽しめる制度を導入する
おすすめ度 ⭐️⭐️⭐️ 難易度 💨
✋やったこと
「みんなでお祝いnoteアワード!」
CookpadDesignMagazineの年間の振り返りをかねて、年に一回みんなで投票しアワード決めて表彰式を行いました。社内に呼びかけデザイナー以外の方にも投票してもらい、CTO賞などのユニークな賞も設けました。受賞者にはプレゼントも用意!投稿したデザイナーを労いました!
⛳️目的
デザイナーにしてもらっているnote記事投稿を、色々な切り口から表彰することで、様々な方面の成果における評価を平等に行い、仕事へのモチベーションUPを目指す。
📝成果
おかげさまで2023年6月現在183本記事の投稿(※note当番表の運用も大きいです)達成しています。
😃ひと言
クックパッドには、知見を公表すること=自分の成長。という考え方があるので、noteなどで自分の成果や知見を発信する文化が根付いているのだと思っています。
実践3.他部署が手の届かない箇所の改善を行う
おすすめ度 ⭐️⭐️ 難易度 💨💨💨
✋やったこと
「デザインATM」
あたりまえ(ATM)PJ。題して「デザインATM」。デザイナーのいない事業部と協力して、大小様々なデザイン改善を行った取り組みです。
やるべきで着手したいと考えている未解決の課題に、デザイナーが当たり前に関与している状態をつくる月間を交互に実施する【ゼロイチ月間】。すでにリリースしているプロダクトに対して、デザイン品質の改善を当たり前に継続している状態をつくる【イチヒャク月間】を交互に行いました。
⛳️目的
全社員がクックパッドのデザインに良い影響を与えられるようにする。そのために年間を通じ、デザイナーのいない部署の人がデザイン改善に最低1人1回は関与している状態を作るため。
📝成果
普段は着手できない小さな改善をして全社員に影響を与えられた。ATMきっかけに事業部にとっての大きなチャレンジ(サイトリニューアル)を実施し、事業の成果に繋りました。
😃ひと言
ゼロイチ月間は1ヶ月で終わらないことが多かったため負担が大きく難易度高めだったので、イチヒャクのように規模の小さな改善をたくさんするのをオススメします。
実践4.他部署との共創で組織に貢献する
おすすめ度 ⭐️⭐️ 難易度 💨💨
✋やったこと
「デザインキャンプΔ」
デザイナー不在の部署を対象に、約1ヶ月間で、デザインで解決できる課題に取り組む短期プログラムです。1回 60分で開催します。原則、参加者は最終回まで参加(バラバラの回に参加することは避ける)。
⛳️目的
デザイナーでなくてもデザインについての解決方法を想像し、アクションを起こせる状態になる。デザイナーと各部署との関係性を構築して、継続的な改善活動につなげていく。
📝成果
ワークショップを通して成果物を作成することで、その後の業務効率化に貢献できました。参加者が課題を元にユーザーの目線ででサービスを考える思考が自然とできるようになった。
でざキャン参加前と比べて学びや気持ちに変化はありますか?
😃ひと言
ワークショップ形式で行うため、参加者の負担が少なく継続できる点が良い(デザインATMで課題だったところを改善できました)。取り組みを通して参加者にデザイン思考が自然と身につき大好評でした!
実践5.社外と社内を仕組みでつなぐ
おすすめ度 ⭐️⭐️⭐️ 難易度 💨
✋やったこと
「外部パートナーとの契約効率化」
外部パートナー様との業務委託契約をまとめて横断部署で行いました。専用依頼slackチャンネルを開設し、稼働の管理、各部署からの依頼をサポート。(必要であれば)デザインレビューも行いました。※パートナー様が稼働した分の予算は依頼した部署が持ちます。
⛳️目的
デザイナーの外部委託の繋がりがない社内の誰でも優秀なデザイナー外部パートナー様と繋がれる場を備えることで開発のアジリティ向上させる。
📝成果
平均5社(名)程度のパートナー様と常にご一緒できる機会を保つことで、社内リソースの逼迫を防ぐことが可能になりました。管理コストを横断部署に一元化して負担することで、全体で見るとスピードが向上。また、得意分野をプロにお任せすることによって社内だけでは実現できないこと(Animationやデザイン負債への取り組み等)ができるようになりました。
😃ひと言
すごい人のご紹介はすごい人方式で、知り合いからのご紹介で繋がることが多かったです。みなさんいい方ばかりでお互い気持ち良くお仕事ができました。実施の難易度も低く様々な組織にオススメできると思います。
実践6.サービス開発を影から支える
おすすめ度 ⭐️ 難易度 💨💨💨
✋やったこと
「毎週ユーザの声を気軽に聞ける仕組み」
外部の専門会社にリクルーティングやインタビュー対象者へのやりとりを委託して実施するタイプのインタビュー手段です。毎週金曜日に実施する機会(目安5枠)が提供され、希望者がいればその枠を使ってユーザーインタビューを実施することができます。
⛳️目的
事業部でサービス開発をしているメンバーが、手間なく効率的にユーザーインタビューできる状態を作り、開発に集中できる状態を作る。それにより開発のスピードを上げる。
📝成果
気軽にユーザーインタビューできることでサービスの価値向上に貢献。インタビューしたことがないメンバーも気軽にインタビューをできるようになりました。
😃ひと言
インタビューの方法は簡易化多様化する中でやり方は変わってきていますが、毎週インタビューできる状態がある=開発メンバーが常にユーザーの声を必要としている姿勢のはクックパッドのとても素敵なところです!
以上ちょっと長くなりましたが、代表的な施策のご紹介でした!
6つの施策を少しでも参考にしていだけたら幸いです。
クックパッドの会社概要はこちらです。
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デザイン横断組織の4年間を振り返って後半記事はこちらです!
フェーズごとで起こった組織の変化をポイントでまとめてます。
デザイン組織について興味のある方はこちらもご覧くださいませー。
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