鉄印帳の旅 ~第1回・北海道・東北旅行のついでに~
2021年3月。
北海道・東北旅行を計画していたとき、僕には次のような思いがあった。
「北海道と東北から近い将来、キハ40が全滅するかもしれない」
「特急おおぞらからキハ283系が、特急北斗からキハ281系が引退する日もそう遠くない」
「前回の北海道訪問(2014年)のときには存在していなかった道南いさりび鉄道も訪問したい」
「東日本大震災からちょうど10年の節目だから、三陸鉄道にも乗りたい」
「ついでなら、未訪問の北海道・東北のローカル私鉄のほぼ全てを訪問したい」
そして、北海道と東北をゆっくり巡るべく、「北海道&東日本パス」を用いて、国内旅行としては史上最長の、8日にわたる旅行を計画した。
夜行バスで仙台まで行き、そこから盛岡まで普通列車で移動した。
盛岡駅の1つ隣の青山駅で、IGRいわて銀河鉄道の鉄印を押印した。
この鉄印が、僕にとって、現地まで行って押印した初めての鉄印であるため、鉄印帳も同時に購入した。
IGRいわて銀河鉄道は、東北新幹線が八戸まで延伸された際、新幹線の並行在来線として経営分離された旧・東北本線のうち、盛岡~目時を引き受けた鉄道会社である。
盛岡駅に戻った後は、1日4往復で有名な、山田線を利用し、宮古へ移動し、三陸鉄道の鉄印を押印した。
三陸鉄道は、特定地方交通線(国鉄時代に不採算路線として廃止が決まった路線)の区間と、三陸鉄道が新たに建設した区間の両方が含まれる、旧・北リアス線および旧・南リアス線のほか、東日本大震災によって被災した、旧・山田線区間の3つの区間からなる、リアス線を経営している鉄道会社である。
宮古で三陸鉄道の鉄印を押印した後は、三陸鉄道の旧・北リアス線区間と八戸線を利用して八戸に向かい、八戸からシルバーフェリーで苫小牧まで移動した。
北海道では、根室本線・釧網本線・石北本線・宗谷本線といった、道北や道東の路線を中心に回った。
その途中で、今年での引退が予定されているキハ283や、
キハ40の「北海道の恵みシリーズ」にも出会った。
最終的には、道東・道北から札幌を経て函館へ移動し、道南いさりび鉄道の鉄印を押印した。
道南いさりび鉄道は、北海道新幹線の開業に伴い、JR北海道の江差線の経営を引き継いだ鉄道会社である。
下写真の前方に連結されているのは、道南いさりび鉄道が保有する、日本一安上がりな観光列車として有名な、「ながまれ号」である。
函館からは、青函フェリーで青森まで移動し、引退予定の五能線キハ40系列や、津軽鉄道・弘南鉄道を撮影した。
奥羽本線で鷹ノ巣まで移動したら、秋田内陸縦貫鉄道に乗車し、途中の阿仁合駅で鉄印を押印した。
秋田内陸縦貫鉄道は、特定地方交通線であった阿仁合線および角館線と、それらを接続した新線からなる、秋田内陸線を経営する鉄道会社である。秋田内陸線では、日本国内の鉄道会社では珍しくなった、有料急行「もりよし」も運行されている。
阿仁合からは、角館まで秋田内陸縦貫鉄道に乗車し、新幹線こまちで秋田に移動した。
最後に、この年限りでの引退が決まっていた、男鹿線のキハ40系列を撮影し、高速バスで帰ることにした。
この時点で、集まった鉄印は4社分である。
また、この旅行には、食費を除いて約6万円かかった。
第2回に続く
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