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有給と行きたくないと思ったその日が休み

友人に会った。
昨年4月に私がコロナになってしまった話をした。
有給は入社してすぐなのに一瞬で消えた。

「わたし、コロナの保険入ってるよ。仕事休んだ時に10万支払われるやつ」
「保険入らなくても、有給使ったら良くない?」
「そんなのないよ。行かなかったら給料入らないし。それにわたし、今日行きたくないな…無理だな…と思ったら休みたいし休むもん。毎朝満員電車に揺られて会社に行くのなんて嫌だし。」

どんな不安定な仕事なんだ…と思った。
けれど、彼女は親の力を借りずに、なぜか高級住宅街の家賃のそんな高くないアパートに一人暮らしできているし、シルクロードを横断したり、山登りしたり、まるで遊牧民みたいに暮らしていた。

自由だった。

でも、彼女はこう付け足した。
「今の生活、ちょっと飽きてきた。就活しようと思う」


真夏の暑い日の夜だった。
2人で入った夜中のプールから空を仰ぐと
鬱蒼としげる森の中で月がまんまるに浮かんでいた。




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