60年代の小柴昌俊
昨年亡くなった小柴昌俊さんは、2002年にノーベル物理学賞を受賞しています。
カミオカンデにおけるニュートリノの検出が評価されたためです。
カミオカンデは1983年から稼動し、4年後に検出に成功しました。
では、それ以前の小柴さんはどんな仕事をしていたのでしょう?
CiNiiで調べると、次のような文章が見つかりました。
「気球による粒子線の観測」(1966)
https://ci.nii.ac.jp/naid/110000196725
カミオカンデの前は、気球を使って研究していたようです。
しかも「宇宙線」(1967)という文章によると、「15,000㎥までの風船24個を飛ばし、うち10個回収、高度記録35km、長時間記録30時間」とあります。
https://ci.nii.ac.jp/naid/110002071969
思ったより大規模でした。
さらに小柴さんは、「大気球事業」は米ソに比べ「10年の遅れがある」と書いています。
こうした貪欲な向上心が、その後の功績に結びついたのでしょう。