パタゴニア讃歌
十代の頃から、パタゴニアには興味がある。
南米大陸最南端の、地の果てといったイメージだ。
南米のみならず、人が住む地域の中では最も南に当たるらしい。
以前テレビで観たのだが、南極方面の海辺に、ひしゃげた木々が立ち並んでいた。
常に一方向に強風が吹くためだという。
不思議な光景だった。
別の番組では、作家の池澤夏樹氏がロケを行っていた。
現地の少数民族の言語を追うものだった。
いわゆる消滅危機言語である。
消えゆく言葉への池澤氏の哀惜が伝わってきた。
個人的には、言語が一つも消滅しない世界が理想的なのかは疑問だが。
氏は、'北の果て'であるアイスランドにも行ったことがあるそうだ。
旅行家でもある作家は、コロナの状況下、どこで何を思うのだろう?
芥川賞受賞作の「スティル・ライフ」というタイトルが沁みてくる。
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