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「だろう運転」撲滅運動

数日前の早朝、自宅前の道路で、
衝突事故があった。
ハザード点灯して停車中の車に、
走行中の車が突っ込んだのだ。

目覚ましも止めてそろそろ
起きようという時に、
鈍い、大きな音がして飛び起きた。

そのうちに、ぶつけてしまった人の
声が聞こえてきた。
「大丈夫ですか? 救急車呼びますか?」

好奇心こそ生きる力、と
お世話になっている方から
教えていただいた自分は、とにかく
大急ぎで着替えて外に出た。

大丈夫ですか?と気遣いながら
話を聞くと、
朝日が眩しくて停車中の車が
見えず、突っ込んだらしい。

当事者同士は見た目は無事だったので、
(ぶつけられた方の運転手は
衝撃で具合が悪そうだったが)
最近の車は丈夫だなぁ、
とぼんやり眺めていた。

それでも意外と遠くまで吹っ飛んでいた破片。

それでも、ここで当事者同士が
揉めたり気まずい状態になっても
周囲が困る、と思い立ち、
とにかく一息ついてもらおうと
麦茶をふるまった。

検証から車を移動させるまでは長い。
暑さで参っても気の毒だ。

やがてパトカーと事故処理車が
静かに到着した。
怪我人がいないので原付が来ると
思っていたので少し驚いた。
何が来るかは、やはり
事故の規模によるのだ。

正直いうと、朝日に照らされた
クラウンが見えた時は
密かに心が躍った。
当事者の方々には申し訳ないが、
カテゴリ「働く車」は、
憧れの象徴である。
速い。無駄がない。頑強だ。
最強のデザインである。

いつもピカピカである。なかなか真似できない。

最近は働く車が集まるイベント等に
行く余裕がないので、
「いやぁここで見られるとは(泣」
という気持ちになった。

もう一つ驚いたのは、
おまわりさんたちは事後はトットと
お帰りになると思っていたのが、
車の移動方法や連絡先、
保険などの手続きを細かく指導されて
いったことである。

当事者の方々は、それでかなり
落ち着いたように見えた。
双方で動揺していては先に進まない。
さすがプロである。

検証のあと。

保険といえば、
おまわりさんと当事者とのやりとりで、
「任意保険入ってますか?」
の質問に対して
「ハイ」
と答えていたのが聞こえて、
第三者の自分は思わずホッとした。
それだけでも少なくとも交渉は
順調に進む、という気はした。

ただ、交通事故に巻き込まれた際、
停車中なら10:0で被害者が有利、
と解釈していたが、
今回のように駐車禁止のところで
停車していた場合は少し違うかもしれない。

近隣にコンビニ等がなく、
どうしても車を停めたい事情が発生した
場合は、極力、朝日や夕日が眩しくて
自分の車が見えなくなるようなところに
停めないことをお勧めする。

車に思い入れが強くて、
絶対に傷つけたくない方は
なおさらだが、
車は基本的に消耗品だし、
代わりはいくらでもある。
ただし、あなたの代わりはいない。

そして、「だろう運転」の恐ろしさ、
あやふやさは強大である。
今回の件もそうだ。

「朝日が眩しいけど、早朝だし
車は停まっていない『だろう』。
いつも走る道路だし
いつも車は停まってないし。」

全く一方的な見解で、
正常性バイアスの典型だ。

今まで逆光でまぶしくても、
バイザーを降ろしたり
サングラスをかけずに突き進むことが
できたのは、
たまたま運が良かっただけなのだ。

とにかく事故を起こすと、
途方もない時間と体力を消耗する。
当日のスケジュールはぶっ飛ぶ。
後で体のどこかが痛くなってくる
かもしれない。
病院に行けたところで、
待合室はいつも混んでいる。

いくらおまわりさんのご配慮があっても、
事故は起こさないに限る。
運転中は一歩、二歩先を読むなど
予測すれば回避できることが多いのだ。

車の運転は昔に比べれば格段楽になった。
スマホをいじる余裕すらできたのは
害悪でしかないが、できればその分、
周囲を慎重に眺めて予測するクセを
つけたいものである。


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