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『せいのめざめ』益田ミリ・武田砂鉄

最近、知り合った人の影響で図書館に通っている。

図書館は学校のくらいしか利用したことがなかったけど、利用してみると面白い。

街の図書館は「こんな本あるのか」と「この本がないのか」の繰り返しである。

だから、借りたい本を定めて狩りに行っていたあの頃よりも予期せぬ出会いが多くて楽しい。

今回は3冊借りた。


1冊目は、『せいのめざめ』益田ミリ・武田砂鉄(2017)。

コラムと漫画が交互に展開されていて読みやすい。

思えば、性自認にもセクシュアリティにも何の憂いもなかった中学生のころ、わたしは何を考えていたのだろう。

異性のことはよくわからなかった(いまもそうだけど)。

だからといって同性とも性的な話はあまりしなかったから、本当に性のことはよくわからなかったのだ。

ステレオタイプな女子中学生をやっていた記憶もない。

なので、本書で描かれる男子中学生の話も女子中学生の話も新鮮だった。

教科書は「思春期になると異性への関心がわいてくる」と言っていたような気がする。

教科書や本書が言うようには異性への関心はわかなかったけど、おおよその人がこのような過程を経てきたのかと思うと自分にはないものなのに追体験できるような、そんな不思議な気持になる。

わたしの心にはいつまでも女性に憧れる童貞が棲みついたままだ。

一生思春期で終わるんだろう。


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