君を思い出す


君を思い出して仕方ないなら、とことん思い出せばいい。

君を思い出すのは、私を思い出すことと同じだ。

ある人は

私をかわいそうと言い、

ある人は

私に手を出した君が悪いと言い、

ある人は、

本当に私が大事なら君は家族を手放すはずだと言い、

ある人は、

私の心の真ん中に君を置いておいたら
他の人は私の心の中に入ってこれないから
今すぐ君を心の中から外しなさいと言った。

またある人は、

もう二度と同じ過ちは犯さないで
と私に言った。


私はどれも正しくないと思ったけど、
ちょうど君と喧嘩したところだったし
地球の4分の1くらい離れていたから

親よりも手を離したくなかった君と

もう二度と連絡が取れないことも
もう二度と会えないことも覚悟して

君に別れを告げて

君のことを
頭と心の中から追い出して

他の人に恋をしてみたり
愛し合ってるようなことをしてみたり
フラれて引きずってみたり

したんだよ。


だからね
「引きずってる」っていうのがどういうことか
知っているの。

君のことを全然思い出さなかったのに
今、君のことをずっとずっと思い出すのは
ただ「引きずってる」んじゃないことも、
知っているよ。

君のこと、思い出さなかったけど

確かに他に好きな人もできたけど

君を忘れてた日なんて一日もないよ。


お揃いのお守りを
君がずっと付けていたように、

忘れられるようにと願いを込めて
私は外して捨ててしまったけど
捨てたことをずっと覚えているように、

私は君をずっと愛していたんだよ。



君が、お守りをずっと付けていたこと
私が後で知ったように

君がその時の精一杯
私を大事にしてくれたこと
私が後で気付いたように

君をこんなに愛していること
君も後で知ったらいいのにな。


そりゃあ

君と私がもっと自由で在ったら、とか

もっと生まれが近かったら、とか

もっと早く出会ってたら、とか

そりゃあもう

たくさん考えたけど。


でも仕方ないでしょう、

自由で在ったって
歳が近くたって
早く出逢ってたって

君が
持ち前の大きな笑顔と声で
臆病で繊細な心を守ってることに

きっと、変わりはないんだ。

いつだってどこでだって

君は君なんだから。

そんな君が好きなんだ。

そんな君が愛おしいんだ。



君の、私の印象は
保健室で泣いてた私だという。

私の、君の印象は
私の大好きな人を本気で叱る涙目の君だ。


そんな、もうずっと昔のことから

君とのこと
一から十までも百までも
思い出したいだけ思い出そう。

思い出は美化されてるだとか、
記憶は事実とは違うだとか、

どうだっていいよ。

君と私が居たことに
変わりはない。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?