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【物件探しtips】内見で防音性を見極めるポイント

「防音性」は、静かに快適に暮らせるかどうかを左右するので、物件選びで見逃せないポイントです。でも防音性は実際に住んでみないと分からない部分も多いため、内見のときに確認しておきたいポイントを分かりやすく解説します。



1.界壁が防音性を左右する

隣の部屋との間の壁(界壁)が防音性に直結します。ただし、構造名だけで防音性を判断するのは危険です。

1-1. RC造でも界壁がコンクリートとは限らない

鉄筋コンクリート造(RC造)や鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)は防音性が高いイメージがありますが、隣室との壁(界壁)がコンクリートとは限りません。
例えば、建物の柱や梁などの骨組み部分は鉄筋コンクリートでも、界壁には遮音性の低い石膏ボードが使われていることもあります。こうした場合、防音性は期待以下になることがあります。


2. 界壁構造の違いと見分け方

代表的な構造(工法)を3つ紹介します。

2-1. クロス直貼り (防音性:高)

壁をノックするように叩いたとき、ゴツゴツと堅牢な感覚ならコンクリート壁に直接クロスが貼られており、防音性が優れいていると考えられます。
ただし、コンクリート壁の厚さが十分でないと、期待している遮音性を下回るかもしれません。



2-2. GL工法 (防音性:低)

表面が石膏ボードなので、ノックするように叩くとコンッコンッと響きます。
場所をずらしながらノックしてゆき、コンッコンッ、コンッコンッ、ゴツゴツ、コンッコンッと、一部だけゴツゴツする場合はその直下にGLボンドがるので、GL工法と分ります。

コンクリート壁に石膏ボードを貼る「GL工法」は中空構造です。内部で音が共鳴する「太鼓現象」が起こるため、防音性が低いと言われています。

2-3. 乾式壁 (防音性:中~高)

こちらも表面は石膏ボードなので、叩くとコンコンとやや軽い響きがします。しかし、石膏ボードが二重になっていたり、間には吸音性のあるグラスウールが充填されているため、コンクリート壁が無くても防音性は高くなります。

2-4. クロス直張り以外は判断が難しい

以上のように、表面の材質が石膏ボードだからといって遮音性が低いとは言い切れません。音で判断できるのは、あくまでも表面の材質だけなのでご注意ください!


3. 窓サッシの種類による違い

見落としがちですが、窓の構造も防音性に大きく影響します。

3-1. アルミサッシより樹脂サッシ

樹脂サッシは密閉性が高く、防音効果があります。複層ガラスだとさらに遮音性が向上します。また、断熱性も高いため光熱費の軽減にも繋がります。


3-2. 隙間が命

窓の鍵を締めたときに、窓同士がミチっと隙間なく締め付けられていると防音性が高いです。逆に、窓同士がミチっとくっつかずに、揺するとガタガタする場合は隙間があります。


4. 間取りでも防音性が変わる

実は、間取りの工夫でも防音性がアップすることがあります。
隣室と押し入れやクローゼットで接していたり、廊下や水回りが間にある場合は、静かに暮らせる可能性が高くなります。

界壁や床の構造を推測するよりも確実性が高い判断方法と言えます。


5. 周辺の音も確認

昼間は静かでも、夜になると騒がしいエリアもあるので、内見時には周辺を散策してみると良いです。例えば、個人的には以下の点を気にします。

5-1. 道路との距離

目の前が道路だと、車の音が気になりがちです。

5-2. 通学路

目の前の道路が通学路になっていると、朝と夕方は声が聞こえてくるかもしれません。特に男子高校生の下校時間は盛り上がりがちなので要チェックです(笑)

5-3. 大使館

大使館の周辺は静かなイメージがあるかもしれませんが、まれにデモが行われる場合があります。




6.管理会社に聞いてもムダ

管理会社や仲介会社に防音性について聞いても、残念ながら期待しているような答えは返ってきません。なぜなら、彼らは「部屋を借りる手続きのプロ」であり、建築のプロではないからです。界壁の素材や防音性については詳しくありません。

宅地建物取引業法においても、「木造」「RC造」といった構造については説明義務がありますが、界壁の素材については説明対象になっていません。管轄外の領域なのです。


7. 内見でできる具体的な確認方法

  • 壁を叩いて音から構造を判断

  • 隣室とリビングスペース同士でつながっていないか確認

  • 近隣を散策して周辺環境を確認


8. まとめ

防音性は住み心地を大きく左右するポイント。壁の構造や窓のタイプ、間取りをしっかりチェックして、安心して住める物件を選びましょう!
少しの手間で、静かで快適な暮らしが手に入る確率がグッと高まります。

最後に自己紹介になりますが、COST/ (コストスラッシュ)という持ち込み専用のネット不動産を運営しています。
このnoteを見てくれた方のお役に立てれば嬉しいです。




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