ありがとう
私は人に心を開かない。
コミュニケーションを取らなければいけない場面ではいい感じに話をすることができるが、求められなければ基本的に距離を取る。
異性に対しても、同性に対しても。
だから友達は少ないし、普段はだいたい1人で行動している。
誰にも感情を乱されないし、誰にも気を使わなくていいし、好き勝手しても許されるなんて最高じゃないか。
それが楽で、もう1人行動は慣れっこなのだが、それが寂しく感じることもたまにある。
だが、そのような時は大抵睡眠不足で病んでいる時なので、一晩ぐっすり眠れば次の日は何もなかったかのように元気になる。
そしてまた1人行動で1日を過ごす。
そのルーティンなのだが、これを見事に乱してきた友達がいる。
いい意味で。
彼女は、私がいつものように自然にフェードアウトしようとしても、何度も誘いを断っても、ずっと会いたい会いたいiちゃんのことが好きだと言ってくれた。数ヶ月連絡を取らなくても、ちょくちょく心配LINEをくれて、iちゃんが病んでても私が元気にするから会いたいと言ってくれた。
私の心に土足で踏み込んできてくれた。
私の心を無理やりこじ開けてきてくれた。
私はそれを嬉しいと感じるようになっていた。
最初は自分のペースが乱されるのが嫌で、人と距離を取る癖がついていたのに、彼女の猛烈なラブコールにいつしか心が動かされていた。
私はどこかでそれくらい自分を必要としてくれる人を欲していたのかもしれない。だが、そんな人はいないからと諦めて1人を極めていたのかもしれない。
自分のことがよく分からない。
ただ一つ言えることは、嬉しいという気持ちはたしかに存在したということ。
私が無理だろうと思いながらも急に呼び出したら、今から行く!!とすぐに来てくれた。
真っ直ぐ向き合って素直に気持ちを伝えてくれる彼女に、私は一生敵わないなと思う。
友達になってくれて、
好きだと言ってくれて、
出会ってくれて、
ありがとう
おわり