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【ネタバレ注意】パールを見て

7/7に日本で公開された、「パール(英:Pearl)」を公開されて次の日に見に行った。R15+の作品だが、ギリギリ15歳の私は、初めて映画館でR15+の映画を見た記念日になった。

以下、見た直後に「記録」アプリで書いた感想である。

クワイエットプレイス以上の"得体の知れないホラー"を味わえた感はある。

描かれてる根本的なメッセージとしては"人間の怖さ"で、パールの衝動的なところが現代で言うADHDなんじゃないかと思った。
衝動的に人を殺すところとか、笑顔を取り繕ってるところとか、絶対的な自信があったダンスのオーディションに落ちて泣き喚き騒いだところとか、衝動性のある何かなのかなと思った。


親が毒親で、だいたいこういう子達は「親からもらった残虐さを親に仕返す」がどこかしらの脳に当てはまってるからそういう衝動的になってしまうんだなと思った。


雷雨の轟く中口論になったパールと母親で、最終的に焚き火?の中に母親のワンピースから引火して母親の体全体に火が渡るシーンは印象的だった。その直前の母親の台詞「私が何もかも奪われてしたいようにできなかった人生よ!あなたにも同じ気持ちを分からせてあげてるのよ!」が、最終的にパールの周りの人達全員に響いてるのは面白かった。

パールはダンスのオーディションの時に不合格と言われて泣き叫んでいたが、「求めている人材はアメリカのブロンドの若い子(teenage)なんだよ」と言われた時に咄嗟にミッツィーを思い出したのは、きっと私だけではないはず。というか、その台詞はミッツィーを思い出すために書かれた台詞なんだと思う。その為にミッツィーという人物像に対して特徴があるようにミッツィーは描かれていたのだと思う。

映写技師に言われた「人生は楽しんだもん勝ち(人生は一発録り)」で身の回りへの復讐をするのが面白かった。
少しでも癪に障った鶏をセグ(ワニ)に食わせたところからはじまり、母親の焼死体、映写技師に全てを悟られてから口封じをしようとするも映写技師までにも怨みを持ち映写技師をセグに食わせ(車も映写技師の死体も川に放置した)赤いワンビースを着て父親をタオルで首絞め、自由の身になったかと思えばダンスのオーディションに落ち全てを知られたミッツィーにも怨みを持ち殺したのが人間の怖さがしっかり描かれているんだなと思った。


ダンスの審査員たちもほんとは自分を落とした後悔から殺そうとしたけど、いちばん話しているおじさんが焼死体になったはずの母親になったり、自分がスクリーンに出た時の観客のひとりに焼死体になったはずの母親(顔の半分を縫っていた)で、どこまでも母親に付き纏われるし、地下室にいた母親がギリギリで生きているのではなく、もう死んでいるんだろうけど「パール」とばかり囁いているのが地下室全体に響いているところが1番の恐怖を感じた。


母親の焼死体と父親の死体を周りに囲み、虫に食われて蝕んでいた肉を中心に置き「最後の晩餐」かのような豪華さ(しかしスープの材料なども全ては人間から出たなにかなのだと思う、血が入っているのは見た)で自分の旦那の帰りを迎えてパールが作り笑いでThe Endの字幕が出るが、その後3分くらいのは作り笑いのパールが写っているのが凝ってるなと思った。その時のパールは途中から泣いているのが、"作り笑いがきつい"のか何なのか知らないけど、泣いていることに対しての恐怖心はしっかりその時抱いたと思う。

見た直後に書いた感想なので、とても鮮明に書かれている。

嗚呼、特に私は映写技師のシーンが好きだ。親に隠れて映画を見、フィルムを貰い、というシーンが好きだ。その後フィルムを落としてカカシと子作りごっこをし、「私は人妻よ!」と叫ぶシーンが、一番好きだ。

この映画を見て何を思ったか、それは余り覚えていない。だがひとつとして覚えていることは、「人間の恐怖」が感じられる作品だ、ということ。

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