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韓国料理のおすすめ

お店の選び方

韓国に住んで数年が経ち、これまでに多くの料理を食べてきましたが、それらを忘れないように記録に残しておこうと思います。韓国料理のお店には、日本のようにファミリーレストランのような、さまざまな種類を選べるお店はあまりありません。また、選べるメニューが多いほど、品質が落ちることがよくあります。そのため、「ドライブイン」などの場所は、正直に言うと微妙な環境と言わざるを得ません。理由は、煮込み料理には時間がかかるため、出来合いのものが出されることがあるからです。

皆さんにも美味しいものを食べていただきたいと思い、何を食べればいいのか分からないという声をよく聞きます。そのため、筆者がよく食べているものをピックアップしました。食べたいものがあれば、専門店で楽しむことをおすすめします。ここでは、皆さんがよくご存じのビビンバ、キンパ、チヂミ、トッポギ、チャプチェ、ジャジャン麺など、時短料理については割愛させていただきます。

韓国料理の目安の名前

クッパ (スープご飯)(국밥)
タン(湯)(탕)
ポックン(炒め物)(볶음)
クイ(焼きもの)(쿠이)
ティキン(揚げ物)(튀김)
パブ (ご飯)(밥)
コギ (肉)(고기)
ヘムル (海鮮)(해물)
メウン(辛い)(매운)
ミョン(麺)(면)

スープ類

ピョヘジャンク(뼈해장국=豚の背骨煮込みスープ)

ピョ(피오)は、豚の骨付き肉、特に背骨を使い、ウゴジ(干した白菜)やシレギ(干した大根葉)と一緒にじっくり煮込んだ料理です。辛さと旨味が調和したスープに煮込まれ、濃厚で柔らかな肉を楽しむことができます。スープの深い味わいと、豚肉のジューシーさが特徴的な一品です。

ピョへジャンク

カムジャタン(감자탕=じゃが芋のスープ)

カムジャはじゃがいもです。

カムジャタンは基本的に先述した通りですが、じゃがいも(カムジャ)と、ひっつみのような手作りの麺(スジェビ)が入っているバージョンです。これにより、具材の食感が豊かになり、みんなで囲んで食べるスタイルが楽しめます。

また、筋肉回復に良いとされる栄養が豊富に含まれているため、筆者もよく食べる一品です。

カムジャタン

ソンジヘジャンク(선지해장국=血豆腐の酔いざましスープ)

このスープは、透き通ったピリ辛のスープに、もやしと牛の血を固めた豆腐のようなものが入っている料理です。滋養強壮に良いとされ、特にレバー好きな方におすすめです。牛の血には鉄分が豊富で、貧血に効果があるとされています。筆者もロングライドの後によく食べる一品です。

ソンジへジャンク

スンデクッパ(순대국밥=腸詰スープご飯)

スンデ(韓国ソーセージ=腸詰め)

スンデは、韓国のソーセージで、いわゆる腸詰めの一種です。中身は大きく分けて2種類あります:

ピスンデ(ピ=血):血を使ったスンデで、レバー同様に栄養価が高いです。
チャルスンデ(チャル=春雨):春雨を使ったスンデで、特に都会で手に入りやすく、安価で提供されることが多いです。
本場のスンデは、ピスンデが主流であり、これが「本番」とされています。一般的には、白湯(白いスープ)で提供されることが多いです。

また、スンデは消化が良く、回復にも効果的とされるため、筆者もよく食べる一品です。もしスンデだけを注文したい場合は、「スンデマン」と言って頼むことができます。

スンデクッパ
パランスの良いピスンデ
大半春雨のチャルスンデ
田舎風の春雨のないピスンデ
スンデの4種類セット


サムゲタン(삼계탕=参鶏湯)

日本でもよく目にする韓国料理で、鶏肉の中にナツメや高麗人参、銀杏などを詰め、これをおかゆのようなスープと一緒にいただきます。一般的には白米が使われますが、緑豆や赤米を混ぜることもあります。

サムゲタンはなかなか冷めにくいため、特にロングライドの後などには、少し熱く感じるかもしれませんが、栄養満点で回復に非常に効果的です。

参鶏湯

ワンカルビタン(왕갈비탕=王あばら肉湯)

ワンカルビタンは、カルビタンの頭に「ワン(王)」をつけた名前で、特に牛のあばら骨付き肉が二つ入っているのが特徴です。肉はとろとろに煮込まれ、薄味の出汁が効いたスープは、非常に美味しいです。

提供が早く、回復にも良いとされるため、筆者もよく食べる一品です。ワンカルビタン、カルビタン、コムタンの順に、使用される肉の大きさが小さくなります。

また、ソルロンタンには、素麺のような麺が入っており、肉は脂身のない小さな部分が使われています。

ワンカルビタン

スンドゥブチゲ(순두부찌개=順豆腐鍋)

この豆腐スープは、基本的に辛いスープに豆腐とズッキーニのようなエホバ(エホバは韓国の野菜)を加えた料理です。おすすめは、チャドル(牛薄切り肉)とブチュ(細ネギ)が入ったものや、ゲ(ごま)が入っている、辛くないスープのバリエーションです。辛さの加減を調整して、自分好みの味に仕上げることができます。

辛くなく優しい味のごまスンドゥブチゲ

ヘシンタン(해신탕=海神湯)

鴨、タコ、アワビ、ネギ、そして香茸(こうたけ)を煮込んだ水煮料理です。香茸は松茸よりも独特で芳醇な香りを持ち、その香りがスープ全体に深みを与えます。

最後にご飯を加えて雑炊に仕上げると、さらに美味しくいただけます。長寿を願い、健康を祈りながら味わう、奥ゆかしい風味の一品です。

ヘシンタン

メウンタン(매운탕=辛い湯)

このスープは、主にクロソイやタラ、タラの卵や白子などを使った料理です。スープは他の辛い料理に比べるとややピリ辛で、海鮮の旨味と辛味が絶妙に調和しています。

タラの卵や白子を含むため、プリン体の摂取が気になる方もいるかもしれませんが、栄養価が非常に高く、体に滋養を与える一品です。特に寒い季節にはおすすめです。

メウンタン

チュオタン(추어탕=鰍魚湯)

どじょうをすりつぶして煮込んだ韓国の伝統的なスープ料理です。濃厚な味わいと栄養価の高さが特徴で、滋養強壮にも効果的とされています。

また、「丸ごとトゥン(통)」を希望すれば、どじょうの姿そのままで提供してもらうことも可能です。見た目のインパクトが強い一方、素材そのものの味わいをダイレクトに楽しめます。

チュオタン

ソモリコギクッパ(소머리코기국밥=牛の頭肉)

ソモリコギクッパは、牛の頭部に属するさまざまな部位を刻んでスープに入れた料理です。タンのような柔らかい部分から牛すじの弾力ある部分まで、じっくり煮込まれた具材がスープに溶け込み、優しい味わいが特徴です。

スープは濃厚でありながらも癖がなく、ほっとする味わいです。見かけた際には、ぜひお店に入って味わってみてください。

ソモリコギクッパ

ユッケジャン(육개장=肉の辛いスープ)

ユッケジャンは、細切り肉とネギを主な具材とした、少し辛めのスープ料理です。旨味たっぷりの出汁が効いており、辛さの中にも深いコクが感じられる一品です。春雨が入っているのも特徴的で、スープと絶妙に絡んで食べ応えがあります。

また、一部のお店では「ワンカルビ(大きな骨付きカルビ)」をトッピングして豪華に仕上げている場合もあり、さらに贅沢な味わいが楽しめます。

ユッケジャン+ワンカルビトッピング

ソルロンタン(설렁탕=白濁した肉のスープ)

白濁したスープが特徴の韓国の伝統料理です。ユッケジャンに似た内容ですが、春雨の代わりに素麺が入っており、辛さが控えめなため、辛い料理が苦手な方にもおすすめです。

また、トッピングとして「ワンカルビ(大きな骨付きカルビ)」を追加して豪華に楽しむのも人気の食べ方です。シンプルな味付けで、塩や胡椒を加えて自分好みの味に仕上げながらいただけます。

ソルロンタン+ワンカルビトッピング

マルゲタン(맑은탕=淡白なスープ)

マルゲタンは、主に海鮮を煮込んで作る淡白で優しい味わいのスープです。具材の旨味が引き立つシンプルな仕上がりで、辛い料理が苦手な方に特におすすめです。

代表的な例として、以下の料理があります:
テグジリタン(대구지리탕):タラを使った淡白なスープ。
ポッジリタン(복지리탕):フグを使った淡白な鍋。
どちらも素材そのものの風味を楽しめる一品で、さっぱりとした味付けが特徴です。

海鮮のマルゲタン


焼き物

ダッカルビ(닭갈비)

皆さんが想像するダッカルビは、大半のお店で提供されるものとして、鶏肉、野菜、そしてトッポギを一緒に炒めるスタイルが主流です。甘辛いタレで味付けされた具材を大きな鉄板で炒めながらいただきます。

また、食事の締めとして、残ったタレや汁にご飯を加えて炒め、香ばしい焼き飯(ポックンパ)を作るのが定番です。これもまたダッカルビの醍醐味の一つです。

一般的な鉄板炒めダッカルビ
最後の汁はご飯を入れて焼き飯のように。

丸石焼きダッカルビ(조약돌 숯불닭불고기=小石炭火鶏プルコギ)

丸い石に油を塗り、その上で味付けした鶏肉を焼き上げる独特な調理方法を用いた料理です。一見「なぜこんな方法で焼くのだろう?」と思いますが、この調理法により鶏肉が香ばしく仕上がり、味が一層引き立ちます。ジューシーな鶏肉の旨味と石焼きならではの風味を楽しめる、一押しの一品です。

丸石の上で焼くダッカルビは香ばしい。

インムルジャンオクイ(잉물장어구이=淡水うなぎの白焼き)

淡水うなぎを炭火でそのまま素焼きにして楽しむ料理です。一尾600g以上の大ぶりなうなぎを炭火でじっくり焼き上げるため、香ばしい香りとふかふかの食感がたまりません。そのボリューム感も圧巻で、シンプルながら贅沢な味わいが堪能できます。ぜひ一度ご賞味ください。

うなぎを焼きます、背中は筋を切りながら
店員さんが最後まで切って焼いてくれます。

オリチュンムル(오리진흙구이)

鴨の内臓を取り除いた後、腹部にもち米、ナツメ、栗、高麗人参などの薬膳材料を詰めます。その後、鴨全体を赤土で包み、専用の窯で数時間かけてじっくりと焼き上げます。赤土で包むことで、鴨肉の旨味と薬膳材料の風味が閉じ込められ、しっとりとした食感と深い味わいが楽しめます。
素朴で深い味わいを楽しめてとても素晴らしいですが要予約です。

しっとりと焼き上がった鴨
中にはいろいろなご飯や薬味がたっぷり

ヤンチム(양찜=羊蒸し)


韓国では、ほとんどのお店でヤンコチ(양꼬치=羊焼き)を提供していますが、稀に蒸した羊肉料理「ヤンチム(양찜)」を楽しめるお店もあります。見かける機会は少なく、なかなかレアな料理ですが、羊肉特有の臭みがなく、しっとりとした食感が特徴です。新たな羊肉の楽しみ方として、一度試してみる価値のある一品です。

羊とニラを蒸したヤンコチ

トンダクグイ(통닭구이=鶏の丸焼き)

サムゲタンのように鶏の中にご飯を詰め、丸ごと焼き上げて屋台で販売されている料理です。ホクホクとした食感と香ばしさが楽しめ、まさに絶品です。見かけたらぜひ試してみてください。

この丸焼きはギリギリでサドルバッグにも収まるサイズ感なので、筆者も見つけた際には購入し、休憩時に美味しくいただいています。

屋台のトンダククイ

麺類

ピョンヤンネンミョン(평양냉면/平壌冷麺)

麺に蕎麦粉を主体とした生地を使用しており、色がやや黒っぽいのが特徴です。柔らかい食感とほのかな蕎麦の香りが楽しめます。スープは牛骨や豚骨、鶏などをベースにしたあっさりとした冷たいスープで、上品な味わいが魅力です。

この冷麺は、韓国だけでなく北朝鮮の平壌を発祥とする伝統的な料理としても知られています。日本のそばとは異なり、噛むほどに独特の風味が広がり、暑い夏にさっぱりと楽しめる一品です。

平壌冷麺

ハムフンネンミョン(함흥냉면=咸興冷麺)

甘藷(サツマイモ)のデンプンを使用した冷麺で、麺に透明感があり、非常に弾力が強いのが特徴です。そのコシの強さから、噛むほどに独特の食感を楽しめます。

あっさりとした味わいのため、焼肉店で提供されることが多く、焼肉を食べた後の締めの一品として親しまれています。辛いタレで和える「ビビンネンミョン(비빔냉면)」スタイルでも人気があります。

咸興冷麺

ミルネンミョン (밀냉면=小麦冷麺 )

ミルネンミョンは、小麦粉を主体とした冷麺で、蕎麦粉はほとんど使用されていません。麺の色は明るく、食感は滑らかで柔らかいのが特徴です。従来の蕎麦粉を使用した冷麺とは異なり、マイルドな味わいで、誰にでも親しみやすい一品です。

小麦冷麺

コングクス(콩국수=大豆麺)

大豆をすりつぶして豆乳を混ぜたスープをよく冷やし、細い白い麺を入れて食べる韓国の夏の定番料理です。すりたての大豆の濃厚な味わいが口いっぱいに広がり、クリーミーで美味しい一品です。

注意点として、中華料理店で提供されるコングクスは麺が中華麺になることが多いため、大豆スープと合う専用の麺を楽しみたい場合は専門店で食べることをおすすめします。

ヘムルカルグクス(해물칼국수=海鮮手打ち麺)

海鮮をたっぷり使った温かい麺料理です。麺は手打ちの生麺で、うどんよりも細く、つるっとした食感が特徴。軽食として手軽に食べられる一方で、腹持ちはやや控えめかもしれません。海鮮の旨味がたっぷり染み込んだスープが魅力で、特に寒い季節におすすめの一品です。

パジルカルグクス(アサリなど)

ソッパブ(솥밥=即席釜飯)

ソッパブとは、お店に入ってから火を入れ、圧力鍋で炊き上げるタイプのご飯です。一部の定食メニューにも追加できるお店があり、注文から約15分ほどかかりますが、待つ価値があります。炊き立てのご飯と一緒に、おこげまで楽しめるため、一度で二度美味しい体験ができます。

ヨンオソッパブ

田舎のトンカツと都会のトンカツ

韓国にはトンカツが2種類流通しているが名前だけではいい里専門店でない限り上のトンカツが出てくると思っておこう。いわゆる昭和世代に属するトンカツは上の方なのだ。
上記の専門店の中にでも子どものためにあえてこのトンカツを用意する店も存在します。

田舎の食堂トンカツはデミグラスソースがけだ 
都会の日本式に近いとんかつ屋はいかにもトンカツだ

サムギョプサルの楽しみ方

サムギョプサルは「三枚肉」という名の通り、脂身の多い部分を焼いて食べる料理です。しかし、焼いていると出てくる油で「少しくどいな」と感じたことはありませんか?そんなときには、油を吸収してくれる白菜キムチや、爽やかな香りで食欲をそそる**ミナリ(미나리=せり)**を一緒に食べるのがおすすめです。これらを組み合わせることで、さっぱりとした味わいになり、よりたくさん楽しむことができるでしょう。

サムギョプサルにはキムチとミナリは欠かせない。

おわりに

ここまでいくつかの料理を紹介してきましたが、気になる料理はありましたか?また、「こんな料理も紹介してほしい」などのリクエストがありましたら、ぜひお気軽にメッセージをお送りください。ご要望に応じて随時追加していきますので、皆さまからのコメントをお待ちしています!


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