「大きな組織、小さな役割」
こんにちわ! ISSUEちゃんです!
今回は私が「なぜ個人事業としてアパレルを選んだのか」について書きました!
それはズバリ、これからのアパレルは「小さな組織で運営されるべきだ」と思うからです。
やや、タイトルを刺激的にしましたが、これは一概にアパレル企業不要論では無いです。
日本にも目を見張るようなクオリティの原料を使い、素晴らしい技術で服を作るブランドも有ります。
しかし悲しいかな、「逆らえない時代の流れに死に絶えるブランド」が有るというのも事実です。
インターネットの急速な発展により、アパレル企業が大規模に展開してきた事は実に効率の悪いものに変わってしまいました。
国内の大手及び中堅アパレルは時代に沿ってよほどな工夫をしない限りは今の規模を維持できないでしょう。
そんな中、私が「好きな事で食べて行くには」と無い脳みそで論理を組立てた話です。
異論は認めます!
「大きな組織、小さな役割」
アパレルに求められる機能とは何か?
それは「①売れる服を作って②売り抜く力」です。
①「売り抜く力」はブランドの知名度や優良なファンがいる事です。
②「売れる服を作る力」はターゲットに有った商品を適時に適量、適正価格で作る事です。
アパレルの機能はこの2つに集約されると考えています。
果たしてこの2つを機能させるのに沢山の人が必要なのか?
悲しいかな、私はそうは思っていません。
そして「大きな組織」を持つ実際に中堅アパレルはこぞって成績を落としています。
「大きな組織」は今、「小さな役割」しか持っていません。
その変化の原因はグローバルSPAの台頭と中堅アパレルの変われない体質にあると思っています。
そして販売力、企画力で圧倒的な力を持つグローバルSPAに対抗する手段は「小さな組織」で「尖ったターゲットに的を絞る」方が理にかなっていると感じています。
この10年間の間にとてつもない勢力になったグローバルSPA
ユニクロ、ZARA、H&M等グローバルSPAは今日の市場環境に大きな影響を与えています。
SPAとは素材調達から、商品の企画や生産、販売までのすべての工程を一貫して行うシステムを指します。
当然、自社生産なので量を捌けばコストは安くなるので、販売価格を合理化できます。
この販売価格の合理化に加えて、ユニクロやZARAはこの10年間で「品質と企画力」を相当なレベルに上げて来ました。
その努力たるやバブルの終わりから「何も本質的には変わらない日本の中堅アパレル」とは比べるまでも有りません。
(世界的にはファッション業界は成長産業)
(圧倒的事実)
この2つの表を見て頂ければ、どれほどZARAやユニクロ、H&Mなどに日本の百貨店アパレルが駆逐されたかが分かると思います。
グローバルSPAの商品がその規模で「安く、品質も悪くないどころかとても良い」上にとうとうファッション性まで備えて来ました。
私は生地のサプライヤーだったから知っていますが、日本の国内顧客をターゲットにしているアパレルと海外でしのぎを削るユニクロやZARAでは発注量がまるで違います。
原料メーカーも縫製メーカーも工場を稼働させる為に、発注量が多ければ多いほど材料や縫製賃の値段をこぞって下げて行きます。
発注量は最大の武器で、最早グローバルSPAの方が良いモノを安く買えてしまっているのです。
各アパレルの反応
グローバルSPAの台頭に対して、海外高級アパレルは徹底的なラグジュアリー化でマーケットでの立ち位置を差別化しました。
(グッチの感性が私には理解不能です。。)
それに対し、多くの日本アパレルは、「値段をグローバルSPAに近づける」という対応になっています。
しかし、日本の中堅アパレル多くは自社工場を持っている訳では無いので、独自の技術や、独自の生産システムは無い訳です。
そんなブランドがSPAに値段だけ近づけたらどうなるのかは自明の理です。
良いものを作れない国内アパレルの構造
日本の中堅アパレルは構造的に良いものを安くは作れません。
アパレルブランドのコストに大きな影響を及ぼしているのは、「人件費」、「家賃」、「在庫リスク」です。
この3つの経費とリスクによってアパレル製品の原価率(生産コスト)は15%~30%にとどまっています。
つまり10,000円で売られている商品の生産コストは高くても3,000円までという事です。
この構造を維持したまま商品代が大型SPAに釣られて安くなれば、良い物を作れるハズが有りません。
結果、シワ寄せは「モノづくりサイド」に来る。
使える生地は安くなり、発注量も少なくなる。
私はこれを「国内アパレルの怠慢」と心の中で名付けています。
ISSUE的解決案
アパレルが良い商品を作り、しっかりとプレミアムを載せて売れないので有れば、大きな組織は必要ないです。
グローバルSPAが狙わない、「ニッチマーケット」を取るには寧ろ「小さな組織」の方が適しています。
今はインターネットやSNSの普及により、ブランドに発信力があれば、店舗を持つ必要も無ければ、販売員を雇う必要も無いです。
実際に近年では、有名人やインフルエンサーのバックに商社についているアパレルが誕生しており、そちらの方が販売力で勢いを感じます。
更に「受注販売」で商品を作れば、在庫リスクも軽減できます。
「これだけで人件費、家賃、在庫リスク問題は解決するのでは?」と言うのがISSUEの仮説です。
そうすれば既存のアパレルの原価構造を踏襲する必要は無い為、モノづくりにしっかりとお金をかけることができます。
「本当に良い原材料、技術」に投資し、その価値観を共有できる人に無駄なコストなく届け、そのサイクルを回す事が可能になればそのブランドには価値が出ると思います。
その結果、グローバルSPAがやらない「痒い所に手が届く商品」が出来るのではないかと考えています。
その為には「小さな組織」でその理想に向かってモノづくりを続ける必要が有ると思うのです。
あとがき
いかがでしたか?
大分と偉そうに自分なりのアパレル理論を語りましたが、語ったからには検証はしてみたいです。
それがISSUEというブランドが出来る背景として私の心の中ではマグマの様に思いが溜まっていました。
ある日そんな話をTwitterの仲間と喋っていると、「やって見たら?応援しますよ」と言われている内に服が出来てしまいました。
これからISSUEがどうなっていくかを見ていてください!!