生活困窮者支援とキャリアコンサルティング
定期的に生活困窮者の施設で
キャリアコンサルティングを担当しています。
生活困窮者の定義はかなり広く設けられています。
厚生労働省は生活困窮者自立支援法のなかで、
『就労の状況、心身の状況、地域社会との関係性その他の事情により、現に経済的に困窮し、最低限の生活を維持することがことができなくなるおそれのある者』定義されています。
・離職後再就職がうまくいかずに経済的に困窮している人
・精神的な課題をかかえて社会で孤立し、支援を受けることができずに、
経済的に困窮している人
・家計の管理がうまくできずに借金の連鎖が止められなくなり、
経済的に困窮している人
・配偶者などのDVで子どもつれて逃げたものの経済的な基盤がなく、
経済的に困窮している人
私がかかわりのある施設は、
住むところを失い、社会的に孤立して、
行政の支援から切り離されている人が一定期間、
住むところ、食べることを確保して、
自立に向けて生活基盤を整える場所です。
キャリアコンサルタントとして、
施設からは『就労支援』の役割を求められています。
しかしながら、決められた期間で『就労』まで、
到達することはとても難しいと感じることが多くあります。
それは、自立にも段階があるからです。
自立の概念として
★日常生活自立 ・・・ 身体や精神の回復を回復・維持し、自分で自分の生活・健康管理を行うなど日常生活において自立した生活を送ること
★社会生活自立 ・・・ 社会的生活を回復・維持し、地域社会の一員として充実した生活を送ること
★経済自立 ・・・ 就労による経済的自立
個人的には日常生活自立 ⇒ 社会生活自立 ⇒ 経済自立 につながっていくのではないかと思っています。
就労を支援するなかで
決まった時間に決まったことができない
身体的、精神的な病識がない(病気をもっているという意識がない)
時間やお金を計画的に使うことができない
困ったときに誰かに相談することができない
これらは全て日常生活自立、社会生活自立ができていないことに、
あると思います。
そして、自分を大切にする気持ちがとても薄いことが、
感じられます。
「やればできる」ではないですが、
「なにもできない」に思考が固まっていると、
ちいさなことでも「できない」になってしまうのではないでしょうか。
支援する立場として、
ちいさなことでも「できた」ことを、
承認することが、被支援者にとっては、
大切なことではないかと思っています。
しかしながら、根深い日常生活自立を、
支援するには、支援者として力不足を
感じることも多くあります。
就労というゴールに向かって支援するには、
時間もかかわる深さも足りないと感じています。
けれども、今すぐの就労という結果ではなく、
あとになって、就労につながった、
あるいは自分の課題に気が付いたという、
そんなことを目指して支援をしています。
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