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あの「結婚式」は憲法第14条の祝祭と思う

『虎に翼』第21週、感動的な直明くんプレゼントによる「結婚式」でしたね。

いろいろ書きたい(そもそも魔女ファイブに関してはチームになる過程を詳細に分析したくてメモを何枚もつくっているのに文章に出来てない💦)のですが、明日、吉田恵里香さんのシナリオ第21週が届くので、それをじっくり読んで、電波に乗らなかった場面やセリフも味わってから、感想を整理します。

でも、シナリオが届く前に、今のうちに言っておきたい感想。

あの「結婚式」は、日本国憲法第14条にもとづく祝祭だと思います。

第十四条
1. すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。
2. 華族その他の貴族の制度は、これを認めない。
3. 栄誉、勲章その他の栄典の授与は、いかなる特権も伴はない。栄典の授与は、現にこれを有し、又は将来これを受ける者の一代に限り、その効力を有する。

日本国憲法

もう少し丁寧に言えば、魔女ファイブはじめ明律大学法学部女子部の皆さんが個々の事情で挫折しバラバラになってしまったのは、旧大日本国憲法の下での民法で、女性たちが立ち向かわねばならなかった高い壁(家制度や個人の人権への制限、女性法曹家に限られた選択と生き残りの難しさ、など)に砕かれる人生の物語なんですよね。そして、敗戦から日本国憲法、新しい民法の成立を経て、再び集結するのが寅子の「結婚式」。そこには、魔女ファイブだけでなく久保田・中山先輩も加わり、なぜか(笑)轟もいる。それは、日本国憲法第14条によって、「人種、信条、性別、社会的身分または門地により、政治的、経済的または社会的関係において、差別されない」社会をシンボライズしていると思います。

社会に透明化されてしまっていた、女性、性的マイノリティ、在日外国人、家制度ゆえに重荷を背負わされた上の離婚シングル、元華族、障がい者が集まって、この上なく平等な立場で(法的効力はないけれど)仲間の事実婚を祝う。しかも、梅子さん、轟、山田よねは、「家族同様」(まぁ10年ほど寝食を一緒にしていたらそうでしょうとも)。

……逆に言えば、小橋と稲垣は社会的強者ゆえにこの場にいないのかも(汗)

そして、この結婚式は、直道お兄さんの結婚式の宴会との対比でもありますね。男たちは当日やってきて吞めや歌えの大騒ぎで、女たちはスンッとしているか裏方を担う。この結婚式では、誰もがスンッとしない(笑)。

ここから先、ストーリーは、寅子の星家の家族との軋轢、原爆裁判とシリアスなテーマが続くでしょうから、晴れやかでハッピーな光景を目に焼き付けておきましょう。


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