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歴史的な背景に思いを馳せること

『虎に翼』、新潟編に入ってスンッとしていた優未ちゃんが少しずつ寅子の前で自分らしく振る舞うようになってきたことが嬉しい。寅子が優未ちゃんをきゅっと抱きしめた時から、心が繋がってきていると感じる。

理詰めの説得じゃなくて、ハグが大事だと言ってた通りの展開(笑)。
優未に必要なのは説得じゃなくて

第18週「七人の子は生すとも女に心許すな?」(おそろしくミソジニー丸出しな諺だな💦)は在日朝鮮人(在日韓国人含む)への差別や関東大震災での朝鮮人虐殺という歴史的な背景も踏まえたエピソード。ネトウヨがSNSで噴き上がっているらしいけど、大河ドラマ『いだてん』でも主人公の金栗四三(熊本出身)が震災直後に朝鮮人と間違われて襲われかけるエピソードがあったり、1936年のベルリンオリンピックで当時日本統治下にあった朝鮮出身のマラソン選手が金メダルを取ったエピソードを取り上げていたりして歴史的な背景を扱っていたのだけど、視聴率が低かったせいか、今回ほど話題にならなかったと思う。

今回のエピソードの元には朝鮮人が被告人となった放火無罪事件があったらしいけど、手紙の誤訳が問題となったらしい。私はハングルはまったくわからないけど、英語は仕事で使ってきているし、スペイン語は大学で専攻したのでニュースぐらいは理解できるのだけど、慣用句はひとつひとつ理解し覚えていくしかないから、外国語学習者あるある。

特に初学者は単語を、辞書を引いたら一番最初に出て来る意味しか覚えていなかったりするので、相手の言葉の意味がそれ以外の意味だったりすると、思わぬトラブルになったりする。

私がスペイン語学習3年目でスペイン旅行でホームステイした時のこと、ホストマザーが私に"mona"だと言ったことがある。私は"mono(男性形)/mona(女性形)"は「猿」としか覚えてなかったので、「!?(猿って……日本人をイエロー・モンキーと蔑称するようにスペイン語でも日本人を猿と言うのだろうか、しかしホストマザーが面と向かって言うだろうか、だけど私は猿としか知らない……」と混乱し、傷ついて泣き出した。後でわかったのだけど「かわいい」という意味だった。

言葉や文化の違いは思わぬところで人を傷つけるし、歴史的な背景を知らないと、知らずに悪意として受けとめる/受けとめられることもある。

汐見夫妻がこの件で寅子に協力することを決めるまでには逡巡や葛藤もあったと思う。けど、日本と朝鮮の両方の言語と文化を知っている汐見京子(崔香淑)だから、架け橋になれた。京子ちゃんがこの出来事をどう感じ、この後どうなるかも、注目したい。



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