単独講師デビューで学んだこと -小さな1歩の踏み出し方-
3月の上旬に、初めて会社を離れてストレングスコーチ(Gallupのストレングスファインダーを活用したコーチングの認定者)として個人活動をしました。と、言っても、きっかけは本業である研修事業での講師力UP、コーチ力UPを目的にしているので、個人と会社の両方に通じるものですが、私は巣を離れたちょっとした冒険でした。
今、30代半ばですが、年々大きな挑戦を取り入れていくのに「勇気が必要だなぁ〜」と感じています。人生の先輩方からは、「早いよ!」とツッコミを入れられてしまうかもしれませんが(笑)
歳を重ねると、仕事だけでなくプライベート(家庭など)のウェイトも気になるため、昔ほどフットワークよく!とならない自分がいました。
ですが、今回の初挑戦が、すごく良いきっかけとなりました。目的としてた本業のブランディングと研修事業に携わる上での大きな成果物をゲットできた上に、「個人としてもっとやりたい!」という気持ちも芽生えました。
たった4名、集客期間は約10日。事前予約制で事前課題(Webテスト付)、一応は満席という感じです。初回としてはかなりハードルが低い内容というのは理解していますが、私としては「成功」!それに第一歩としては経験、感情面で得られるものが多かった上に、挫折回避ができました。
自分なりにどういった点は良かったのかを、私が通ったプロセスと共にまとめてみました。どなたかの初チャレンジの参考になれば嬉しいです。
成功の理由
今回は、イベントの中でのセミナー枠を1時間もらうという環境で行いました。なので、時間設定や会場の定員、お客様の層も想定が付きやすい環境で行いました。テーマは「自己分析」、生かし先は自己理解、強み発見、自分の癖を見抜いてコントロール、転職でのPRの棚卸しを設定しました。
成功要因
1、自ら設定した目標に意思を持つこと
2、「やりたい」と「できる」のちょうど良いところでコンテンツを作った
3、受講者(顧客)目線で得るもの、メリットを考えて構築
4、ターゲットに合わせた広報準備。不安はお土産で解消
5、仲間の応援!これが一番大事
自分が講師として、この枠を使って伝えられるものは何だろう?
それを、自分ができること、やりたいこと、お客さんが必要とするものの交差点を考えてコンテンツを考えたことが良かったと思います。ビジネスとしては基本だと言われてしまうかもしれませんが、「自由テーマ」を与えられると、案外、ウエイトがどこかに偏ってしまいます。
私の場合、初期段階にマインドマップでコンテンツを考えるところからスタートしたら、「やりたいこと」に偏っていました。それも、自分の自己紹介のような、経歴で語るような内容になっていて、「転職の注意点」をただ伝えるレクチャーになっていました。つまり、ただの「自己満足」。きっと、無名な自分に自信がなくて、自ずと自分の得意分野のことに、自然と傾いていってしまったんだと思います。
なので、眺めてみると、
●あれ?これお客さんの役に立つんだっけ?
●誰に何を伝えたいのか?
が、疑問な内容に・・・そこで再度考え直しました。
ひとまず初心に戻ろう
お客様よりも自分本位になるのは、“あるある”ですね。私も堕ちました。
私が所属しているオールブランディングワークスのセミナーでもよくお伝えするのは、「強い事業の源泉は、人の信念・想い」ということ。さらに、想いをつくる情熱と実行する人の得意ややりたいといった強みから生まれ出ます。
初心に返って、次のステップを踏み直しました。
「このセミナーをやる意義」「講師としての信念」を書き出す
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やりたいことを「私が提供できるサービス」に置き換えて考え直そう
▼
マルシェ(今回の来場者)のお客様層とそのニーズ、
その人たちの中で私の知識と情報で役立てる人はどんな人かを仮説立て
▼
今回の条件内で開催できる仕立ては何が良いか?
満足度が上がるようにするには何が必要か?
それを、旅行にいく途中の飛行機の中で集中して向き合いました。ぐちゃぐちゃだけど、ノートはこんな感じ。(自分の中でやることが明確になっていて、分かればOKですよねw)
次は広報・集客段階。
媒体選定やお客様のベネフィットを含めて、どう広報をしていくかを考える必要がありました。いつも会社でやるときは、広報の人や社長がうま〜く作ってくれるので、いつも甘えていたパート・・・本当に知識も自信もないけど、やるしかない!
テキストを書く前に、置かれている状況を整理しました。
●無名
→私が何者かが分かる必要と安心材料となる実績を出す必要
●ソロ集客のため未知
→実験しかない。一人でやるので、お客様に目が配れる範囲を想定して目標数を割り出そう
●コンテンツの軸に据える「ストレングスファインダー」の新潟での認知度にやや不安
→分かりやすい伝え方を考える必要がある
使えるツールや武器の整理して、打ち手を考えました。
●Facebookの友達は結構いる方
→集客の場にする。ただ、主催者の人たちがよく使っているのがアメブロなので、アカウントを開設して窓口を増やそう
●元がマルシェなので、マルシェイベント情報や主催者・関係者の方の協力が得られる
→タグ付け
●会社でやってきた実績、数値を出したり、相場感を合わせにいって、価格に見合うことをアピールしよう
広報で意識したのは、「ベネフィット」をしっかり出すこと。
これは昨年会社で取り組んだHPのリニューアル時に、痛いほどトレーニングしたことです。売る側の言葉でなく、サービスやメリットを受けるお客様の視点で得られる効果や価値を表現することが重要で、言葉選びや伝え方が大切になってきます。私はここがめちゃくちゃ苦手!HPリュニューアルでは、コピーチームにいたのですが、ホント苦労しました。
すぐに上手く書けないけれど、とにかく読者を意識して書く!ということを大切にしました。
とりあえず、広報用のテキストを①自己紹介編 ②コンテンツ紹介編 ③得られる効果押し編 あたりの3種類ほどを用意し、アメブロを開設。素材は仕事で使っているものやフリー素材から引用したり、会場の写真をお借りしたりして、可能な範囲リンクを貼りました。
一番難しいかったのは、価格設定です。
有料にするという責任とプレッシャーが、今回のチャレンジでは必要な要素でした。無料にしてしまうと、自分に甘えが出てしまいそうだったし、会社を離れて修行という目的が霞んでしまうと思っていました。
設定価格以上の価値を提供し、持ち帰って欲しい。だけど、正直不安。安すぎてもダメだという思い、会社や知り合いのコーチの提供価格も知っているので、私が価格破壊をするのはNGだし、安すぎると「価値を届けること」にならないし、「価格への信頼性」を損なうことになると思っていました。
なので、価格を下げるのではなく、別の価値を加えました。
●安心してお客様を迎えられる工夫
●もし当日失敗して迷惑をかけても、価格が担保されるような内容にする
ために、一人一人に内容をカスタマイズした「特別プレゼント」を用意しました。これでひとまず、お客様との約束を大破りしないで済む、安心材料ができました。
上手くいった最大の要因は、応援者のエール
正直、ここが一番上手くいった要因です。1人で成功はできませんでした。
例えば、企画段階から「楽しみにしているよ」と言ってくれた、研修同期の女の子のエール。それとイベント記事のシェアをしてくれたり、お互いの準備を励ましあったりと、心の支えになってくれていました。
当日も朝イチで参加費を渡してくれて、「よ〜し、頑張るぞ!」という気持ちにしてくれました。人の心を前向きにしてくれる優しさ、本当に見習いたいです。
また、ブログ記事をみて「上手ですね!」とあたたかいフィードバックを下さった主催者の方や、同じイベントの出展者の方で、緊張してソワソワする私に、「大丈夫だよ、緊張を楽しんで」と応援し、終わった後も「どうだった?楽しかった?」と優しく声をかけてくださった方。
何より、お客さんとして無名の私の講座に足を運び、最後まで受けてくださったみなさん。本当にありがたいです。
モチベーションは人それぞれ違うと思いますが、上がる環境や協力を得て助け合うことは、とても大切なんだと実感しました。
私の場合は、「他者」。これをどれだけ意識できるかや、役立っているシーンをイメトレしながら、準備を進めることです。自分がやったことで喜んだり、役に立ったと思ってもらいたい。シンプルだけどそいうい気持ちや、そのエネルギーになる人との交流があったことで、準備から当日まで頑張ることができました。みなさん、本当にありがとうございます。
得られたこと
得られたこと
1、楽しい、もっとやりたい!と思えたこと!
2、人の可能性とはすごいものだと実感
3、自分の棚卸しとスキルがもっと必要。やるべき課題が明確になった。
経験は財産。その一言に尽きるかもしれません。得るものは、予想よりも大きかったです。
正直、上手くいかず「もうやりたくない」と挫折するんだろうな・・・とも考えていました。でも、自分にちょうど良い高さのハードルを用意できたこと、その準備としっかり向き合ったこと、協力を得られたことで、私は初回の挫折を回避し、挑戦を良い思い出として乗り切ることができました。
仕事が忙しいを言い訳に、広報をなかなかスタートしなかった私。。。
定員を4名という、少ない設定にしたから(本当は3名にしようかと)なんとか1週間ほどで集められ、無事全員に事前課題のストレングスファインダーのWebテストを受講いただき、当日を迎えられたという事情もあります。
同期ちゃんが、開催を決めた時から「私参加するよ」と言ってくれていたので、「もし1人でもいいや!その子のために全力でやろう!」と、腹をくくれていたことが勇気になりました。
とはいえ、会社を離れ、1人でセミナー準備に当日の運営、講師をやるのは初めてでしたから、不安は大きかったです。一番苦労したのは、資料作り。
スライドとペパー資料、それにお土産を参加者全員に1人1人カスタマイズしたものをプレゼントすることにしていたので、作成だけでも時間がかかりました。
それに、作っていると、時間配分や主旨からそれる内容になったりと、修正するのが非常に大変でした。1回は誰かにモニターになってもらいたかったけれど、時間を作れず断念しました。これは、絶対やっておいた方が良いことだと思いました。
初挑戦、上手く伝えられたかというと、まだまだ講師としては未熟で、時間も押してしまっててんやわんやでした。楽しかったよ、参考になったよ!と言ってもらえた反面、「もっと、転職活動のパートを話を聞きたかった」との声ももらい、余裕のないギュウギュウの内容にしてしまった反省が残りました。
ですが、やはり得るものも大きかった!そして、次もやりたい!と思えたことが何よりの収穫となりました。
これがやりたい!のパワーは、やらされ仕事の何倍、何十倍の威力を持って人に伝えることができますからね。可能性を自分に感じられたのは、とても貴重な経験になりました。
今後への生かし方
初挑戦で感じたことの中には、本業とのバランスの取り方も課題の一つです。次に生かすためには、このようなポイントを考えて準備しておくと良いなと感じました。
1、日常に忙殺される前に、アクションプランの設計を
2、何歩先かのストーリーまで考えておくと、ブラッシュアップが楽
3、キャパシティ・己をしるは、やっぱりベース
これについては、また別の記事でまとめたいと思います。