来世

何かすると忘れる

忙しいと忘れる

だいじなことなのに、だいじにしている日なのに

別のことをしたり思いついたりするだけで脳みそはそれを忘れてしまって

良く出来ている

一瞬だって頭から離したくないのに意とは裏腹に物体はとても良く出来た信号を送ってこんな簡単に忘れさせる

言葉を口から出すとその度水のままだった記憶が氷の塊になって輪郭を帯び、器から零れてしまいそうで嫌だった

「※○△□‪✕‬」なんて言えないなって

本当にしたいことを忘れたフリして違うことをして時間をやり過ごしてゆくとそうやって今日を過ごす事が馴染んでいって、いつか僕にとって今日が何でもない日になっていくのか

と気づいてしまうことが怖い。


重ねた花束の花の一つ一つが風に飛んで、

重ねた花束のリボンの端がぼろぼろにほつれて、

重ねた花束の花の茎がツンとする匂いを持って、

重ねた花束の重ねた事さえ物体と時間の摂理に抗えず

無力のまま骨になる。


皮も肉も剥がれた骨にずっと生きていられる生命なんてなくて、人間の身体に宿る魂なんてそんなの嘘っぱちで、前世も今世も来世も生まれ変わったらも都合が良い空想で、僕は僕で、もう名前さえ風化されたとしても僕が空想していることはずっと変わらなくて、君は君の軸の上で歩いてて、僕はその軸を一生辿ることはできなくて、そういうのは当たり前なんだ。


「記憶が思い出に成ったら存在も感情も不確かで朧でいずれ無くなっていくんだ。生かしておくことは孤独なんだ。」


また、日付 変わっちゃった




【<br >】――――来世

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