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即興小説:第14話「二つのメロンを持つ女」

※こちらはyoutubeの配信中に「即興小説トレーニング」を利用して15分で書いた小説となります。

・本文

お題:黄色い職業
必須要素:どんでん返し

「本日は、日本に一人のスイカパーことスイカパーカッショニストの方におこしいただいています」
「よろしくお願いします。カバン大きいですね」
「ええ、ちょっと。スイカを叩いてリズムを取られるということですが何かこだわりはありますか」
「そうですね、私は黄色いスイカしか使いません」
「なぜですか?」
「黄色いスイカの方が私が求めるスイカの音色に近い音が出るからです」
「スイカの色で、そんなに違うのでしょうか」
「はい、どうしても赤いスイカの音色は私には合いませんでした」
「やはり皮の硬さや果肉の肉質などによるのでしょうか」
「おそらくそうだと思います。私もまだちゃんと研究したわけではないのですが」
「なるほど…ふふふふふ」
「どうしたんですか?」
「はっはっはっはっ、スイカパー、お前はまだその程度のレベルだったか」
そう言うと、インタビュアーの女は、インタビュアーにしては大きすぎるカバンから、二つの緑色の球体を取り出した。
「それは…メロン!?まさか……」
「そう、私こそ日本でただ一人のメロンパーカッショニスト、通称メロパー。」
「なぜ、メロンを二つも…」
「ははははは……、私は赤肉と青肉、二つのメロンの打音を組み合わせ、最強のハーモニーを奏でる力を手に入れたのだ!!」
「なにぃ!?」
「ここで会ったが、貴様の運のツキ!さあ、私とビートバトルで勝負だ!!」

突然の邂逅を果たしたスイカパーとメロパー。
二つのメロンを組み合わせたそのビートに、果たしてスイカパーは対抗できるのか!!
次回、フルーツビート「種が奏でる勝利の凱歌」お楽しみに!!

・あとがき

 これこそ即興小説の醍醐味というか……小説じゃないけど(笑)絶対自分一人だったり長い時間が当てられたら書けない作品が出るのが面白いですよね。
黄色い職業がなかなか思いつかない時に急に黄色いスイカが頭に浮かんできました。そこで黄色いスイカ農家とか、まああっても種飛ばしぐらいだと思うのですがなぜか黄色いスイカを叩くパーカッショニストが脳裏に浮かびました。どんでん返しは最初実は赤いスイカを叩いていたというオチで書き始めたのですが、なんとなくインタビュー形式の作品になったので、「あれ、このインタビュアーがメロン叩いてたら面白いんじゃない?」という謎の発想が生まれ、完成となりました。
 ちなみに次回は「一つのスイカから鳴る音は一つじゃない!」言ってスイカをあえて割って種を使って音を鳴らし勝利する予定です(?)
 あと、今気づいたけど「二つのメロンを持つ女」って下ネタにしか聞こえないですね…。多分即興のテンションじゃなかったら違うタイトルにしていたと思います。
 なお、即興小説配信はYoutubeで行うので、興味ある方はチャンネル登録していただけると嬉しいです!


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