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Erasmus制度とは?

チェコ人の友達と話していると、「オランダにErasmusで行った」「ハンガリーにErasmusで行った」という話をよく耳にします。最初は「Erasmus」という言葉が何を指しているのか分かりませんでしたが、どうやらヨーロッパの学生たちにとってはごく当たり前の制度のようです。そこで、Erasmusとは一体何なのか、歴史やその名前の由来について詳しく調べてみました。

Erasmus制度とは?

Erasmus(エラスムス)制度は、欧州連合(EU)が主導する教育・研修プログラムで、正式には**「Erasmus+」**と呼ばれています。この制度は、ヨーロッパ各国の学生が留学や研修を通じて異文化交流を経験し、学業やキャリアの成長を促進することを目的としています。

Erasmus制度の特徴

  1. 対象者:主に大学生・大学院生が対象(職業訓練や教師向けのプログラムもあり)

  2. 留学期間:3ヶ月〜12ヶ月

  3. 奨学金:生活費の補助があり、参加者は一定の資金援助を受けられる

  4. 単位互換:多くの場合、留学先で取得した単位は自国の大学でも認められる

  5. 対象国:EU加盟国を中心に、ノルウェー、アイスランド、トルコなどEU以外の国も含まれる

Erasmusを利用すれば、ヨーロッパ各地の大学で学ぶ機会を得られます。例えば、チェコの大学に通う学生がオランダの大学で半年間勉強したり、スペインの学生がフランスで1年間学んだりと、ヨーロッパ全体で活発な学生交流が行われています。

Erasmusの歴史

Erasmus制度は、1987年にEUによって正式に設立されました。当初はEU加盟国の一部が参加する小規模な制度でしたが、現在では33カ国がプログラムに参加しており、毎年数十万人の学生がこの制度を利用しています。

制度の発展の中で、2014年には「Erasmus+(プラス)」として拡充され、大学生だけでなく、職業訓練生や教師、スポーツ関係者など幅広い層が利用できるようになりました。

Erasmusの名前の由来

「Erasmus」という名前は、ルネサンス期の思想家であり神学者でもあった**デジデリウス・エラスムス(Desiderius Erasmus, 1466–1536)**に由来しています。彼はオランダ出身の学者で、各国を旅しながら学問を追求し、さまざまな文化の知識を深めました。Erasmus制度の理念である「異文化交流を通じた学び」は、彼の生涯と強く結びついています。

また、「Erasmus」という名称は**「European Region Action Scheme for the Mobility of University Students(大学生の移動を促進する欧州地域行動計画)」**の略称としても使われています。これは偶然にもエラスムスの名前と一致し、制度の趣旨とも合致することから、この名称が採用されました。

Erasmus制度がもたらすもの

Erasmus制度は単なる留学プログラムではなく、ヨーロッパ全体の学生にとって、視野を広げる大きなチャンスです。この制度を利用した学生の多くは、以下のようなメリットを得ています。

  • 異文化理解の向上:異なる国で生活し、さまざまな価値観に触れることで視野が広がる

  • 語学力の向上:英語や留学先の現地語を実践的に学ぶ機会が増える

  • キャリアの可能性が広がる:国際的な経験が就職に有利に働く

  • ネットワークの構築:世界中に友人や知人が増え、将来的な仕事やプロジェクトにもつながる

まとめ

Erasmus制度は、EUが推進する教育交流プログラムで、ヨーロッパ各国の学生が自由に留学し、異文化を学べる制度です。その名前は、16世紀の思想家デジデリウス・エラスムスに由来し、彼のように「旅をしながら学ぶ」ことを促進する理念を持っています。

チェコではErasmusを利用する学生が多く、オランダやハンガリー、ドイツ、スペインなどへ留学する人がたくさんいます。ヨーロッパに住む人にとって、Erasmusは「学生時代に一度は経験したいもの」の一つになっているようです。

日本にいると馴染みのない制度ですが、もしヨーロッパで学びたいと思うなら、Erasmus Mundusなどのプログラムを通じて参加することも可能です。これからもErasmus制度について興味を持ち、さらに深く調べていきたいと思います。

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ヒュウマ
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